ファースト・フード
From:関谷はやと
中部国際空港のホテルにて。
今回は、ビジネスじゃなく、
個人的な用事で愛知県に来ています。
ちなみに愛知県といえば、
思い返してみたら、
僕が松山市内の高校を卒業してすぐに、
自動車製造関連の企業に就職のため、
この地にやって来たのって、
もうかれこれ30年も前のことでした・・
その当時、
愛知県に来た僕が、いちばん最初に戸惑ったのが、
やっぱり『食べ物』でしたね・・
まあ、、方言という言葉の壁もありましたが、
そこは全国各地から、
色んな人材が仕事にやってくる土地柄です。
方言も様々です。
中には『通訳が要るやろう!?』
みたいなのもありました。
でも、
松山あたりの方言で、
「○○やけん」←標準語で○○だから、の意味、とか、
「○○ぞね」同じく、
○○しましょう・でしょう、みたいな意味など、
僕は普通に話しているつもりでも、
けっこう目立つのもあって、
同僚たちからも、
『ん???』
みたいな反応をされたりしましたが、
それでも、そんなに気にしてなかったですよ。
ところで、
さっき話した食べ物で戸惑った、というのが、
味噌と野菜、そして魚です・・
何だか宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』みたいですけど、
まずお味噌、愛知で有名なのが、
『八丁味噌』と呼ばれる豆味噌です。
八丁味噌は、
『宮内庁御用達』にもなっているため、
味噌の世界では、格式の高い正統派といえますね・・
ちなみに八丁味噌で作ったお味噌汁を、
僕は『赤だし』と呼んでいます。
まあ、、
正式な料理名としての『赤だし』って、
八丁味噌だけじゃなく、
ほかの『だしの素』も加えているんでしょうけど・・
それまでの僕にとって、
赤だしは『修学旅館の朝食』か、
年に一度連れて行ってもらえるかどうかの、
『お寿司屋さん』でしか、
口にすることがなかった食べ物でした・・
ちなみに、
松山辺りでお味噌汁に使われているのは、
主に麦を原料にした黄白色のお味噌です。
あとは、
お味噌汁以外の料理に使われる味噌で、
麦と大豆をブレンドした『ひしお』と呼ばれる、
醤油の元のような、茶色いお味噌もあります。
次に魚です・・
松山という場所は、
瀬戸内海に面した地域なので、
太平洋や日本海に面した地域の人から言わせると、
『ここは湖か?』と勘違いされるほど、
普段は穏やかな海です。
そこで獲れる、
体調1〜2センチほどの小魚を干した、
『ちりめん』がどこのお店でも売ってて、
ほとんどの家庭の冷蔵庫に入っているくらいの、
身近な食べ物です。
瀬戸内海には小魚しかいない訳じゃないですよ。
愛知県にも湾がありますが、
その先は太平洋に面しています。
当然獲れる魚の種類や大きさも違います・・
あくまでも小魚というのは、
もう少し大きい魚のための餌、
いう認識なんでしょうね。
なので、
瀬戸内海のように小魚を獲って、
わざわざ加工したりしなかったんだと思います。
食卓には、
ご飯の上に『ちりめん』と『ひしお』をのせて、
かき込んで食べるというのが、
僕が子供の頃から身近に、
また手軽に食べることができた
『ファースト・フード』でした。
こういった食材が身近にない愛知県で、
同じことをしようとすると、
これが『ファースト・フード』どころか、
とんでもなく高級な食事になってしまうんです。
そういえば、
『にぎり寿司(鮨)』も調べてみると、
元々は江戸時代後期に流行した、
『ファースト・フード』だったそうですね。
身近に獲れてた魚介類を、
時間が経っても食べられるように加工して、
さらに、
ご飯も傷まないように酢を加えることで、
江戸市中いつでも、
どこででも提供できるように進化した食べ物が、
にぎり寿司の起源だそうです。
せっかくの機会なんで・・
このあと色んな『ファースト・フード』を、
調べてみたいと思います。
関谷はやと
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