ガラパゴス・ベンチャー２　

From：関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

『ガラパゴス・ベンチャー』
これは、僕が勝手につけた名前です。

前回のメルマガでは、
ベンチャー企業について、

すでに、市場にあるものと
同じものを作っても、自己満足的な
ビジネスとなり成功しない。とか、

補助金に頼った起業だと、
意思決定のスピードが遅くなって、

市場の変化についていけなくなる。

といった話をしましたが、

そんな環境が多い日本の中でも、

ベンチャー精神にあふれた、
たくさんの起業家が成功しています。

いまから４０年ほど前のこと、

外食ベンチャー企業の経営者として、
その名を知らない人がいないくらい
有名な人物の元に、

ある男性がやってきました。

その経営者は、
自分のビジネスに関する書籍を出していて、

その本を読んで、
深く感銘を受けたこの男性は、

「ぜひ、直接会って話を聞きたい」
と、それだけの理由で、

当時、九州に住んでいたにもかかわらず、
はるばる東京までやってきました。

その頃、
すでに時の人となっていた経営者は、

もちろん、
この男性のような人物に会う時間も、
話す用事もないので、面会を断ったところ、

なんと、
その男性はあくる日も、
そしてまた次の日も、

「会えるまで帰らない」

そう言って、
経営者の元を訪問し続けたのです。

そして一週間後・・

とうとう根負けした経営者は、
多忙の中、数分の時間をその男性のために
充てたのでした。

会ってみると、
なんと、つめ襟姿のまだ高校生で、

「この春、九州の高校を卒業したら、
　アメリカに留学します。
　
　自動車やバイオテクノロジーなど、
　学びたいことはたくさんあるのですが、
　
　何を勉強すればいいでしょうか？」

と、経営者にアドバイスを求めてきました。

すると経営者は、

「これからは、
　すべての産業でコンピューターが
　重要になる。

　勉強するなら、それを学びなさい」

経営者は、それだけ答えて、
会いに来た高校生を帰しました。

それから数十年の歳月が過ぎ、

その経営者は、
『起業経営のカリスマ』と呼ばれ、
経営する会社も、世界中で認められるほどに、
大きく成長しました。

いっぽう、
当時高校生だった男性は・・

あの時のアドバイスを実行し、
必死で努力して、
『ＩＴ業界の風雲児』と呼ばれていました。

この二人の人物こそが、

アメリカの大手外食チェーン
『マクドナルド』を日本で経営していた、
日本マクドナルド社長の

『藤田 田（でん）』さんと、

そして、
当時まだ高校生だった人物の名は、

なんと『孫 正義！！！』

白戸家のワンちゃんのＣＭで有名な、
『ソフトバンク』のオーナーの
孫 正義さんだったのです。

ずっと後になって、
藤田 田さんは、

当時の孫 正義さんのことを、

「初めて会った時に、
　彼は絶対に成功する。
　
　そう思っていました。
　
　なぜなら、彼ほどしつこい人物に、
　私は会ったことがありませんから・・」

と、このように語っています。

ベンチャーを成功させるには、
こういった精神が絶対に必要だ。

という、
良いエピソードだと思いませんか。

それにしても・・

このような人がもたらす影響力って、

本当にすごいですね。

関谷はやと

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