偶然にしてはあまりにも・・な話のその後　

From：関谷はやと

前回からの続きです。

前回のメルマガでは、
いつも三栄自動車に来てくれている
お客さんの１人が
『宝厳寺（ほうごんじ）』という有名な
お寺のお世話役をされていて、

今から７年前に、僕がその方から
『宝厳寺に火災保険を掛けようかどうか』
という相談を受けたなんと３ヶ月後に、

あろうことか火災によって焼失してしまった、
というお話しでした。

いや〜しかし、偶然と呼ぶにはあまりにも・・
こういう話って現実にあるんですね。

ちなみに火災があったのは、
８月１０日という夏の真っ盛りでした。

しかも付近は昔ながらの狭い道幅で
お寺の門を下った道路から消防車が入れず、
そのため消火活動にも手間取ってしまい、
あっという間に火の手が広がって、
残念ながら全焼してしまいました・・

思い返せばあの時くらい、
多少強引でもいいので、
保険の商談を進めておけば良かったのに・・
と悔やんだことはありません。

ただ、それはあくまで僕たち側の考えで、
保険会社にとってみれば、その逆で、
いくら保険金を払わなくちゃいけなかったか・・

そう考えると何とも複雑な心境ですが、
いくら悔やんでもどうしようもありませんよね。

という訳で僕は、
保険の契約までには至らなかったものの、
相談してくれたのも何かのご縁だと思い、
火災からまだそれほど経ってないある日、
宝厳寺にお見舞いに行くことにしました。

すると、まだ焼けた煤（すす）の匂いがする
敷地の片隅に、仮寺務所として
小さなプレハブ小屋が設置されていて、
そこに高齢の住職さんがいらっしゃいました。

『この度の火災では・・』と、一通り
お見舞いの言葉をかけたあと僕は、
しばらく住職さんとお話しをしたんですが、

正門以外、ほとんどの建物が焼失したため
再建するにも数億円の費用がかかるだろう・・
と仰っていました。

こういった場合、
檀家さんの数が多い宗派やお寺であれば、
寄付とかそういった金銭的な面でも、
少しは見通しも立てやすいんでしょうけど・・

いくら宝厳寺自体が有名だとはいえ、
元々が檀家さんの数が少ない宗派だそうで、
（失礼を承知で）住職さんの気苦労を察すると、
かける言葉も選んでしまいます。

ところが住職さんは、
すでに８０歳を過ぎた高齢にもかかわらず、
小柄な身体のどこにそんな勢いがあるのか、

『また小僧からやり直さなくちゃあね〜笑』

さすが名刹（めいさつ）の住職というか、
逆に僕の方が励まされてしまいましたよ。

そして、このやりとりをきっかけに、
住職さんと僕との関係が始まりました。

関谷はやと

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