Ｏｈ．モーレツ！なクワトロ　

From：関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

今回のタイトル、
なんか、よう分からんぞ・・
と思った人は比較的年齢層の若い方々で、

それとは逆に僕ら世代より上の方々は、
『そういや・・』と思い出すフレーズなはず。

実はコレ、
ずいぶん前に放映された２つのテレビＣＭで、
丸善石油（現在のコスモ石油）が、
『Ｏｈ．モーレツ！』というフレーズで、

昭和４４年（１９６９年）に
『小川ローザ』さんというタレントを起用し、、
このガソリンで走れば
猛列なダッシュ（加速力）が得られますよ！
というのを全身真っ白なミニスカートの
コスチュームに身を包んだ小川ローザさんが、
さかんにアピールしていました。

また当時の日本は、

高度経済成長期の真っ只中で、
その時代に働いてたサラリーマンを
『モーレツ社員』などと表現してまして、
そういった世相も反映されてるんですね〜

まあ、今なら『過労死』とか
『ブラック企業』なんて呼ばれそうですが・・

いっぽう、
『クワトロ』の方はドイツの自動車メーカー
アウディが１９８０年に発表した４ＷＤセダンで、

その８年後に放映されたのが、
真っ白な雪に覆われたスキー競技用のジャンプ台を
赤いアウディクワトロで
一気に駆け上がっていくというＣＭです。

ちなみにドイツ語では、
数字の４のことをクワトロと表現するそうです。
なので４ＷＤ（四輪駆動）モデルがクワトロと
名付けられているんですよ。

ところで、
この２つのテレビＣＭには、
『自動車つながり』という以外に、
実はいくつかの共通点があって・・

まず１つ目は、
『意外性とインパクト』です。

モーレツ社員という言葉に代表されるように、
当時の日本では、まだまだ
『車＝男性』という風に認識されてて、

そこに若い女性が、
『モーレツ』の側につくという意外性に、
ユーザー層から共感を得られ、
それが圧倒的な支持へとつながりました。

こんなことを書くと、

また何か言われそうですが・・でも、
気にしてたらＣＭの話も進まないので、
このまま続けますよ。

そしてアウディクワトロの方は、

さっきもお話ししましたが、
そもそもスキーのジャンプ台を車で上ってやろう！
なんて誰も考えつきませんよね。

そして２つ目です、
テレビＣＭのおかげで両方とも
（モーレツに、笑）商品が売れたところです。

さらに３つ目は、
両方とも後に『リメイク放映』され、
『Ｏｈ．モーレツ！』のＣＭは、
２００１年にタレントの菊川怜さんが、

そして、
アウディクワトロは、
２００５年に誕生２５周年記念として、
新型モデルを使って、当時と同じジャンプ台を
一気に駆け上がるテレビＣＭを放映しました。

まあ日本で言うところの
『２匹目のドジョウ』狙いですかね〜（笑）

ところが、、
このあと両者の結果が大きく分かれて、
『Ｏｈ．モーレツ！』でガソリンの売上が
伸びたのかというと・・『？』で、

対するアウディクワトロの方は、
その後順調に拡販を続けて、今では、

『半数以上が４ＷＤモデル』だそうです（驚）

どちらも同じように、
ヒット商品を生んだＣＭのはずなのに・・

この違いを生んだ原因って一体何なんでしょうね〜

僕が思うに、
『Ｏｈ．モーレツ！』の方はリメイク時に、
商品じゃなくＣＭそのものに焦点を当てることで
話題性こそ得られましたが、
肝心な商品は全くというほど注目されませんでした。

しかしアウディの方は、
『クワトロ（４ＷＤ）』という車が持つ機能、

つまり『商品の本質そのもの』を
常に一貫してアピールしたことです。

実はこれこそが『ＣＭの目的』で、

たとえＣＭが注目されても商品が売れなければ
何の意味もないということですね。

関谷はやと

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