軽量化のために・・その1
From:関谷はやと
三栄自動車の事務所にて。
日本の製造業を支えてきたといわれる、
『ものづくりの技術』や『下町の工場』などが、
注目されて久しいですが、
高い技術力や特殊技能を持っている企業には、
常にチャレンジしてほしいと思います。
ところで、
僕が子供の頃に観たテレビの番組で、
それこそさっきの『町工場』のオヤジさんが、
自社の技術力を活かして、
大手企業に売り込んでいく姿を放映していました。
ちなみに、その町工場は、
電車のドアの開閉に使われている、
『バルブ』という部品を作っている会社でした。
今でもそうですが、
電車のドアを開閉するのには、
空気圧を利用して作動させています。
そして『バルブ』という部品は、
この空気の流れを変えるための部品なんですが、
当時のバルブは、
『鋳鉄(ちゅうてつ)』と呼ばれる
鉄の部品を組み合わせて作られていました。
また電車1両だけでも、
そのバルブが何個か使われていたため、
もしまとめて注文をもらえれば、、
『電車の車両数×1両辺りの数個』という計算となり、、
一度に何百個というバルブが売れることになります・・
そこでこの社長さんは、
他社に先駆けて、
『新開発のバルブ』を提案しようと、
車両軽量化のために、
今まで使っていた『鋳鉄製のバルブ』よりも、
柔らかく加工がしやすい素材の『銅』を使って、
しかも従来品より、
コンパクトにしたバルブを作ることにしました。
電車でも車でも、どんな乗り物でも、
車体の軽量化というのは、
使用エネルギー削減のための永遠のテーマです・・
電車の場合でも、
こういった小さな部品一つ一つを改善して、
電気消費量の少ない『電車』にしているんですね。
なので、
この社長さんの注目したテーマは、
非常に的を得ているなあ・・
子供ながらに、
テレビを観てた僕はそう思いました。
ただ、軽い素材を使うとなると、
どうしても今度は『強度』を確保するために、
別の問題点が起きてきます・・
しかし、
この社長さんは諦めることなく、
さまざまな問題点を解決して、
ようやく、
『銅製のバルブ』の試作品が完成しました。
この試作品を携えた社長さんは、
鉄道会社の、
車両保守担当の方に売込みを図るべく、
電車に乗って鉄道会社に向かっていました。
テレビでそのシーンが流れましたが、
この社長さんは、
バルブを油紙で大切に包んで、
上着の内ポケットに入れたものを、
『(鉄道会社の)担当者には、
こうやってさりげなく見せるんだよ・・』
と時々取り出して、子供のような表情で
番組の記者に話していました・・
まあ、苦労してできた試作品ですから・・
いきなり見せてしまうのが、
何だかもったいない気がしたんでしょうね〜
その気持ちも分かります。
そして、いよいよ到着し、
車両保守担当の人に、、
『実はですね、今回・・』という前置きで、
試作品のバルブを見せました・・
この社長さんとしては、
『えっ銅製ですか!?スゴイですね〜』
という反応を期待してたはずです。
その様子は、
子供の僕でも見ただけで分かりました。
しかし・・
車両保守担当の人は、
試作品のバルブを操作してみたり、
しばらく色んな角度から眺めたかと思ったら、
『これって、材料が変わっただけでしょ?』
という非情なコメント・・
そう言われた社長さんは、
唖然とした表情で、
動揺を隠しきれませんでした・・
番組を観てた僕も、
『こりゃあキツイなあ・・』と思いましたが、
しかし、
そのあと保守担当の人は優しくこう言いました。、
『せっかくだったら、
部品点数の少ない一体物のバルブを作るとか・・』
という、ありがたいアドバイス・・
要するに、
イノベーション(革新)的な視点が必要なんだと・・
相手にアイデアを受け入れてもらうのって、
中々簡単なことじゃないんですね。
この時、
つくづく思い知らされた気がします・・
で、この話が次回以降、
『最近の軽自動車』という話題へと、
つながっていきます。
関谷はやと
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