再配達問題・・　

From:関谷はやと

プライベートデスクにて

国内の大手宅配会社『ヤマト運輸』が、

従業員の残業代の一部を支払ってなかったとして、

労働基準監督署から是正勧告を受けた結果、

それまで未払いだった残業代を

支払うことにするようです・・

ある報道機関の試算によると、

主に宅配便のドライバーである
７万６０００人が対象だとすると、

その額なんと数百億円・・

思わず倒れそうな額です・・

気が遠くなってしまいます。

ただ、、問題の内容を見てみると、

単なる業績不振のため、
ドライバーさんに
タダ働きをさせていたんじゃなく、

どっちかというと、

宅配件数が多すぎ、忙しすぎで、

そのことに労務管理の方が、
追い付いていなかった感があります。

じゃあ一体その原因は・・？

それが、

インターネットショッピングサイトの

『Amazon』にあったようです・・

ちなみにAmazonの売りって、

『お急ぎ便』を除く配送料が基本的に無料で、

しかも配達時間の指定もできるというサービスです。

そこが他の同業者と比べて、

大きな優位性となったことで、

急激に業績を伸ばしていきました。

ある意味、大手業者同士による、

『安売り合戦』『体力勝負』

に勝利したとも言えます。

ただこれが、

荷物の取り扱いが増えることで、
収益向上を狙っていた『ヤマト運輸』を、

じわじわと苦しめることになろうとは・・

ところで、宅配便の仕事って、

お客様の元に荷物を届けることですよね。

しかもそのほとんどが、

『直接手渡し』です。

ということは、
荷物を受け取るお客様が、

もしその場にいなければ、
『再配達』といって、

お客様が居る時間を見計らって、
再度届けに行かなくてはいけません。

お客様が帰って来るまで、
じっと待ってる訳にはいきませんからね・・

この『再配達』って、

ドライバーさんにとっては大きな負担です。

しかしAmazonは、

『再配達』に対しては、

ヤマト運輸に再配達料を払う訳じゃありません。

その費用は結局、

ヤマト運輸自身の持ち出しになります。

こういった問題の積み重ねが、

最終的にはドライバーさんにのしかかって、

『残業代未払い問題』に発展しました。

Amazonにしても、

送料を自分達が負担して、
お客様が送料を払わなくて済めば、

その分、他社よりも、
商品を安く提供することになりますが、

これはある意味『捨て身の戦略』です。

でも『再配達』などで、

そのしわ寄せが、

ドライバーさんに来たんじゃたまりません・・

また、身勝手なようですが、

お客様にとっても『再配達』となると、、

ドライバーさんが届けに来るまで、
その場で待ってないといけないんで、

時間を取られているような気になります・・

これって意外と負担です。

結局のところ、

Amazon、宅配便のドライバーさん、
そしてお客様、

そのどれにも負担となっていたんですね。

そういった状況のなか登場したのが、

鍵付きポストのような、

『宅配ボックス』と呼ばれるものです。

これだと、

宅配ボックスにさえ入る荷物なら、

『直接手渡し』する必要もありませんので、

『再配達』もしなくて済みます。

ドライバーさんにとっては有難いですね。

今回の『残業代未払い問題』を受けて、

宅配ボックスを作っている会社には、

通常の５倍以上の注文が入っているそうです。

何だか『トンビに油揚げをさらわれた』

そんな感じですね〜

つまり、

どのようなビジネスにしても、

自分の利益だけを得ようとする者よりも、

相手の問題を解決できた者が、

結局は利益を得る、ということでしょうか・・

関谷はやと

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