コンバーチブルの歴史 

From:関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

夏場を除いた春から秋にかけて、

季節がら、
走っているのを見ると、
ふと目に留まる車があります。

それが屋根を取り外した

『オープンカー』です・・

走っていると当然、
まともに風を受けますので、
運転していても、
オートバイに近い感覚となります。

オープンカーは、
『季節との一体感が味わえる車』ですね。

ところで、

このオープンカーのうち、

日よけ・雨除け・風よけ用に、
可動式のキャンバス製の屋根が付いたものは、

『コンバーチブル』と呼ばれています。

元々は、

馬車から来ている呼び名なんですね。

たしか、
アメリカの西部開拓時代にまで遡ったと思いますが、

長距離を移動する馬車になると、

金属製や木製の屋根だと、

重量が重くなって、
馬にも負担がかかるため、

厚手の布地で作られた『幌』の屋根が採用されました。

いわゆる『幌馬車』です。

もちろん、
それ以前にもヨーロッパで採用されていました。

またヨーロッパの国や地域によって幌馬車は、

『コンバーチブル』じゃなく、

『カブリオレ』とか『ロードスター』などと呼ばれていました。

その名残が、自動車にも受け継がれているんですね。

ちなみに、
アメリカの西部開拓時代には、

この『幌(キャンバス)』が大いに活躍し、
作業服として使われた『デニム・ジーンズ』も、

同じ布が使われていたそうです。

余談ですけど、

西部開拓時代というのは、
金(ゴールド)を求めて、
アメリカに渡ったヨーロッパの人々が、

西へと向かってアメリカ大陸を横断した時代です。

その時に、
金を掘り当てて大儲けした人もいましたが、

それは全体のごくわずかな人たちで、

実際に、確実に儲けた人たちというのは、

ジーンズ屋さんや、
金を掘る道具を扱っていた人たち、

だと言われています・・

話題をコンバーチブルに戻します・・

今では、
国産車にも『マツダ・ロードスター』など、
自前で製作するのが当然のようになってますが、

それまでは、

国内の自動車メーカーでは、
直接作ってなかったんです・・

何と言っても、

幌馬車時代からオープンカーを作っていた欧米とでは、
技術力やノウハウが圧倒的に少なかったから・・

当然といえば当然の理由です。

そんな状況でも、

オープンカーを作っていたメーカーがありました。

それが意外にも『トヨタ自動車』なんです。

今は懐かしい、トヨタのスポーツカー

『セリカ』には、

1980年代半ば頃から、
コンバーチブルが設定されていました。

折しも、
日米の自動車業界の仲が、
ギクシャクしていた時代です。

なぜかというと、

日本から輸入された車が、
アメリカで売れまくっていたため、

アメリカ国内で製造される車が、
その分売れなくなってしまい、

アメリカの自動車メーカーが、
本当にヤバい状態になっていた頃です。

ちょうど、アメリカのビッグスリーのうち、

『クライスラー』が破たんし、

その後、名再建者と言われた経営者、
『リー・アイアコッカ』の手腕によって、
復活し始めた頃です・・

そういったムードを和らげるための目的!?

かどうかは分かりませんが、

トヨタは、アメリカでも人気があった、
『セリカ』に目をつけ、

日本で製造したセリカを、
いったんアメリカに出荷して、
『コンバーチブル』に架装したのち、

再び日本に持って帰る、という、

非常に複雑な手間をかけていました。

しかし、これでも一応、

『アメリカで完成された車』となります。

アメリカにとっては、

『日本じゃ技術力やノウハウがなく作れない車』を、

日本に輸出することで、

アメリカ人のプライドも保たれました。

『セリカ・コンバーチブル』は、

『日米自動車貿易摩擦』を和らげるための、
一役を買ってたように思います。

まあ、そのくらい当時の日本車は、
アメリカで売れていたという事です。

欧米では、馬車から進化して、
必要に迫られて作った『コンバーチブル』ですけど、

日本での『コンバーチブル』って、

また違う意味で、
必要に迫られて作られたんじゃないか、

そう思わせる出来事があったんですね〜

これは、あくまでも僕個人の見解ですけど(笑)

この季節、幌を外された

『コンバーチブル』を見かけると、

「気持ちよさそうだなあ・・」と思うと同時に、

そんな時代の出来事も思い出します。

関谷はやと

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