安売り犯罪!?
Fron:関谷はやと
三栄自動車の事務所にて。
以前、このメルマガで何度か登場した、
ホンダが技術の粋を結集して造り上げた
スーパー・スポーツカー、
新型『NSX』が日本国内でも発売されました。
2シーターの後部に配置された、
排気量3.5リッターのツインターボエンジンに、
モーターを追加してハイブリッドシステムとしています。
さらに、
左右の前輪にもモーターを内蔵して、
エンジン+3モーターで、
なんと合計581馬力です!!
そして日本での販売価格は、なんと2370万円!
桁違いのパワーと価格・・
ちなみに一般的な軽自動車の約10台分の力です。
1台の車で馬581頭分の力を生み出す車、
いったい日本のどこを走るのかはさておき、
純粋にサーキット場ででも走らせてみたいなあと、
そう思わせるような車です。
しかし!
上には上がいて、もっとすごい車がいました。
2013年にその姿が発表されて、
世界中の話題をさらった車、
その名は『ラ・フェラーリ』
イタリアの超高級スポーツカーメーカー、
『フェラーリ』のハイブリッドカーです。
そのフェラーリの中でも、
頭に『ラ(英語でいうthe)』が付くんで、
『フェラーリの中のフェラーリ』
みたいなネーミングですね・・
こちらは、
エンジンの排気量もホンダの2倍近い、
6.3リッター・・
もうトラック並みです(笑)
それにモーターが加わって、
その馬力がなんと!!
963馬力!!
しかし、すごさが分かりません・・
もう、どうでもいいです・・
おまけに車の価格が、135万ドルです。
135万円じゃないですよ!
日本円にすると、
およそ1億4000万円です、、
ホンダNSXが6台買えます。
スイマセン、、書いてて気が遠くなりました。
それを499台の限定生産にしたところ、
世界中のお金持ち&車マニアから予約が入り、
あっという間に売り切れたそうです。
ホンダとフェラーリって、
それぞれの国を代表する自動車メーカーです。
僕は、この両者の、
『スポーツカー・スゴイ対決』が、
やりたかったんじゃなくて、
両メーカーがおこなった、
『価格戦略』について、
あなたに伝えたかったんです・・
フェラーリは、
499台限定だから売れたんです。
ホンダは、
これほどの性能を持った車を、
フェラーリの6倍の台数を売るつもりなんでしょうか?
さすがに、
ここまでの価格の車をポンと買える人の数って、
世界広しといえど、ある程度限られてきます。
そして、
こういった人々は、
常に最新で最高の車を追い求める傾向があるんで、
毎年のように、
改良が加えられた新型車を手に入れようと、
車の姿を見る前に注文を入れてしまうような人たちです。
ですので、
ホンダのように、
『お客様が買いやすい価格』などと、
お人好しなことを考えていると、、
他社と比べて、
競争力をつけるために改良をしたり、
新型車を生み出すための、
莫大な開発費が捻出できず、
やがて、
古臭くなってしまった旧型車と一緒に、
車の生産自体を断念せざるを得なくなります。
企業の経営には、
望むと望まざるとに関わらず、
常に何かのアクシデントが発生します。
そのくらいに備えておかないと、
せっかく優れたスポーツカーを世に送り出しても、
提供し続けることができなくなってしまいます。
その結果、
ホンダのスポーツカーファンを裏切ることになります。
そして裏切られたファンは、
ホンダに対して、
期待よりも失望・恨みの気持ちを持ってしまいます。
これが経営者の、
『安売り犯罪』と言わずして、
何と言うんでしょうか・・?
そういった見方では、
ホンダがNSXにとった価格戦略というのは、
『安すぎ』『バーゲン価格』といえます。
あくまでも、
『技術や商品の価値の高さ』に対してですよ。
フェラーリと比べても、
見劣りしない出来栄えだっただけに、
何か『もったいない』気がします・・
関谷はやと
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