ヒット曲生産工場　

From：関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

前にこのメルマガでもお話しした、

将棋界のホープ『藤井聡太四段』、

プロ棋士史上最年少の１４歳（当時）ながら、

並居る強豪から次々と勝利し、

連勝記録を重ねながら竜王戦を戦いました。

しかし、残念ながら、

２９連勝をもって記録はストップ・・

ただ、

プロ入り公式デビュー戦の相手が、

これまた現役最年長棋士の『ひふみん』こと、

加藤一二三九段というのも話題になったことから、

にわかに『将棋界』が、

注目を集めるようになりました。

ところで藤井聡太棋士って、

なぜあれほどまでに強いのか？

巷でも色々取り上げられていますよね・・

その中でも一番の理由は、

『圧倒的な練習量と質の高さ』だと言われています。

ちなみに将棋の練習って、どうするん・・？

そう思ってる人もいると思いますが、

昔からあるのが、
『詰め将棋』と呼ばれる練習です。

これは、
対局が終盤に差し掛かった状態を模して、

常に『王手、王手』と打ちながら、

決められた手数（３手、５手、７手・・）で、
詰め上げていく練習方法です。

さらに、

近年ほとんどの棋士が取り入れるようになった、

『コンピューター将棋』を相手にしての練習も、

欠かさずやっているそうです。

その結果、

将棋自体がどうなったかというと、

詰め将棋と人間相手に練習していた時代と比べて、

人間特有の持ち味でもある、
『指し手（選択）ミス』や『迷い』
といった要素が、ほぼ無くなったことで、

もっとも効果的な指し手を打たないと、
コンピューター相手に勝てなくなりました。

つまり将棋のレベルが格段に上がっということですね・・

というより、
別次元に突入したと表現した方がいいのかも・・

ただ、こうした流れって、

なにも将棋に限ったことじゃなく、

つい先日も、

ある音楽業界の人と話をしていたとき、

最近のヒット曲のほとんどが、

コンピューターに音符を打ち込んで作る、
デジタル作曲なんだとか・・

そうやって出来た曲の中には、
人間が楽器を使って再現しようとしても、

音符の並びが複雑すぎて、

人間の演奏技術だと、

演奏が追いつかないメロディーの曲もあるそうです・・

でも、コンピューターにとって、

そんなことはお構いなしです。

『売れる曲のメロディー』のパターンを、

複雑に組み合わせることで、

ヒット曲を生産するのが、

デジタル作曲家の仕事なんですから・・

それまでは、

将棋なら将棋盤を挟んだ緊張感や

音楽なら間合いとか余韻といった空気感など、

決して目には見えませんが、

人間だけが持っている感覚として認識されていました。

それが・・

実際に将棋盤に向かうことも無く、

また、
実際に楽器を演奏することも無く、

コンピューター画面だけで完結してしまうのも、

ちょっと味気ない感じがします・・

ただ音楽業界では、

それに飽きてしまったのかどうか分かりませんが、

今まで見向きもされていなかった、

アナログな『レコード盤』の生産が復活して、

しかも相当の勢いで伸びているんだとか・・

大きな理由の１つとして、

『アナログ音源から出される空気感』が、

再評価されてるからなんだそうです。

こんなニュースを見聞きすると、、

やっぱり人間って、

コンピューターとは全く異なり、

目に見えない感覚というのを、

本能的に必要とする生き物なのかな・・

なんて思えてきませんか？

関谷はやと

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