タクシー新メニューその３　

From：関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

「おいっ！音楽のボリューム、もうちょっと下げろや！」

「（運転手）・・。」

「いいんですよ運転手さん・・
この曲マイルスですよね・・？
ちょっと遠回りしてもらえますか・・
もう少し聴いていたいんです・・」

東京都内での、ある夜の出来事、
１台のタクシーに乗っていた２人の乗客、、

しかし、
２人の職業は、なんとヤクザ・・

１人は子分で、もう１人は兄貴分の人でした。

子分の人は、
疲れた兄貴分に静かに休んでもらおうと思って、
気を利かて、運転手さんに言ったつもりでしたが、、

兄貴分は、
その曲で癒されたんでしょうね・・

運転手さんを遮ることもなく、

また子分を叱ることもせず、

ただ、、
『帝王』と呼ばれたトランペット奏者、

マイルス・デイビスが奏でる曲に、
身を委ねていただけでした・・

なんか、、映画やドラマの世界みたいですね。

でもこれは実話なんですよ。

僕が１０年ほど前に乗った飛行機の、
機内誌にあった記事を思い出したんです・・

『ジャズ・タクシー』というタクシーを仕立て、

車内のオーディオ環境を凝ったもので装備し、

自身の趣味であるジャズを通じて、
乗客にも本格的なジャズ演奏を楽しんでもらえるようにした、

ある個人タクシーの運転手さんの話だったんです。

それが話題となって、
現在、多くの根強いファンを抱えることとなり、

ほとんど固定客（リピーター）にも関わらず、
ものすごく繁盛しているそうです。

まさに『ハイヤー』並みの状態ですね・・

前回までは、
新しいシステムを試みているタクシーの話題でしたが、

今回は『ジャズタクシー』です。

これって『人の部分』で、
サービスの質を高めているタクシーのケースです。

タクシー業界も、やはり今までは、

様々な規制があって、
なかなか参入できない業種でした。

それが、安全面や経済面で、
利用者のためになり、

またタクシー業界が、
健全に運営されていればいいんですけど、、

ちょっと方向性がずれたら、
『規制に守られている業種』となってしまって、
いつしか自分たちの権益を守ろうと、

そんな意識になって、
お客様に喜んでもらうことを考えなくなります。

そうなってしまうと・・

たちまち、ウーバーのような、

新規参入者に
お客様を取られてしまいます。

タクシー業界も、

頑張って色んな取り組みをされていますが、

まずは、

『近距離乗車拒否』を止めるように、
業界の意識を変えてくれたら、、

何かよい方向性が見えてくると思います・・

関谷はやと

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