魔のカーブ　その１　

From：関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

最近では珍しくなった、
年度末の道路工事・・

道路を管理している、
自治体の予算の見直しといった理由で、

本当に少なくなりましたね。

それでも、
地方の主要道路などは、
災害防止のため、ということで、

曲がりくねった道路を、
真っ直ぐにする工事をしている所に、

時々出くわすことがあります。

僕が車に乗り始めの頃、

もう３０年程前になりますが、

曲がりくねった道路って、、
本当に多かったですね・・

こういった道路には、
たいてい『魔のカーブ！！』という、

なんとも怪しい表現の標識が立ってまして・・

今でも時々見かけますが、
こういった標識を見ると、

『危険だから注意しよう』

と思うよりも、
懐かしさの方が先にきます。

ところで、
『魔のカーブ』なるもの、

どんなカーブかというと、

もちろん、
見通しの悪いカーブや急カーブです。

それに、
上り坂や下り坂が加わると、
より危険度が増します。

僕の経験上、
もう一つ条件を加えるとしたら、

自分が運転する方向でいうと、
上り坂の左カーブです・・

対向車にとってみたら、
下り坂の右カーブですね。

これは文字だと、
分かりにくいかも知れないので、

ちょっと頭の中で、
イメージしてみて下さい。

じつは、
先ほど話した、
僕が車を乗り始めた頃の話ですが・・

約束の時間が迫っている中、

忘れ物を思い出したので、

取りに帰ろうと、
慌てて運転してたときです。

ちょっとでも
近道を走ろうと、

普段はあまり使わない、

少し上り坂になった、
山道へ回ることにしました。

そのうち、

ほぼ満載状態の大型ダンプカーが、

僕の前方をゆっくりと走る形になってしまい、

「早く走ってくれ！」

慌てていた僕は、
ダンプカーの事情も考えずに、

イライラしながら、その後ろを
追いかけていました。

ダンプカーのような貨物車って、
重い物を積んで走れるけど、

速く走るようには作られてないんですね・・

そんなことには考えも及ばず、
追い越し可能な車線に差し掛かった時、

「これはチャンスや！」

そう思い、一気に追い越しにかかりました。

でも、上り坂なんで、
そう簡単にはいきません・・

結局左カーブに差し掛かってしまい、

前方のダンプカーより、
余計に走らないと、
追い越せない状態になってしまいました。

普通だと、ここで諦めるんですけど、

慌てるという字は、
『心が荒れる』と書きます。

自分のことしか頭にない状況で、
諦めるなんてことは、
思いつきません・・

そのまま加速しながら、
ダンプカーと並ぶように左カーブを抜け、

その先の直線に差し掛かった時、、、

なんと正面からも大型ダンプカーが！！

ビックリです！！

戻ろうにも、
左側には、
追い越そうとしたダンプカーがいて、

どうすることもできません・・

正面のダンプカーのおじさんも、

フロントガラスの向こうなんで、
聴こえはしないんですが、
僕の方に向かって何か叫びながら、、、

僕との正面衝突を避けるように迫ってきました。

僕も自分の車を、

左側いっぱいに寄せると同時に、

両側をダンプカーに挟まれた格好から、
何とか切り抜けました。

生きた心地がしないというのは、
このことです。。。

このときばかりは、
さすがにヤバいと思いました・・

関谷はやと

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