ホイール・アライメントとの出会い(その3)
From:関谷はやと
『ホイール・アライメント』
についてお話しするつもりが、いつの間にか、
ホイール・アライメントの第一人者
という人物の方に向いてしまったので、
話を元に戻しますね。
もともと
ホイール・アライメントというのは、
車の直進性やカーブでの回転性、
そしてハンドルを左右に切り返したときの
応答性を、どんな走行状況下においても
その車本来の持ち味として発揮できるよう
調整していくための基準値みたいなものです。
なので、
あなたが車を運転していたとして、
例えばハンドルに振動が来るなあとか、
常にハンドルを手で支えておかないと
車がまっすぐ走ってくれないとか・・
もしこういった症状が少しでもあれば、
『ホイール・アライメントに問題あり』
という可能性があります。
もちろん、
そもそもタイヤがすり減っていたり、
このところ空気圧もチェックしていない、
という場合は、
まずそちらからチェックしなくちゃいけませんが。
じゃあ、
それをどうやって診ていくのかというと、
車の四隅に配置された状態のタイヤを
真上から、前後から、左右からという風に、
立体的な見方で、一つ一つの
『角度、傾き』を測定していきます。
それは、さっきもお話ししたように、
車がまっすぐ走ったり、ハンドル操作通りに
タイヤが向くためには、それぞれ必要な
『角度、傾き』があるためです。
ところが、
同じ車に長年乗っていると、
時には路面から強い衝撃を受けたり、
車って重量が1トン以上もあるので、
タイヤを支えている部分にも
当然、摩耗(まもう)が生じてきます。
すると、
元々基準通りに調整されていた
『タイヤの角度、傾き』にも狂いが出て、
そのままの状態で走っていると、
ハンドルに振動が伝わってきたり、
常にハンドルを支えてないと
まっすぐ走ってくれない‥みたいな
症状が出てくるんですね〜
そこで、タイヤやタイヤを支えている
サスペンションや足回りの角度・傾きを測定して、
『ホイール・アライメント』
を調整していくんですが、
まあ今の最新の機器でこそ
『3D測定』ができるようになって、
タイヤとボディーの位置関係を立体的な状態で
見ることができるようになり、
調整もやりやすくなったんですけど、
今回の話で登場した
ホイール・アライメントの第一人者の方が
この仕事をやり始めた当初は、
平面図から建物を想像するみたいに
それぞれの測定値を頭に入れ、
そこから立体的にイメージしなくちゃ
いけなかったそうです・・
しかもそのデータだけで、
ホイール・アライメントが狂っている状態から、
基準値通りに持っていかなきゃいけないので、
ある部分を調整すれば、
別の部分が基準から外れてしまう・・
みたいに、
まるで立体パズルを解いていくような
緻密な作業だったんですね〜
そして驚くことに、今から30年近く前、
僕がこの方と初めて対面したとき、
日本では、ほとんど誰も手掛けたことがない
ホイール・アライメントに関するキャリアを
すでに40年以上も重ねられていたんです!
これが僕の『ホイール・アライメント』
そして『メカニックの神様』との最初の出会いです。
関谷はやと
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