見えてきた課題 

From:関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

昨日このメルマガでお話しした、
『ル・マン24時間耐久レース』ですが、

僕はその日の夜、

インターネットの生中継を観ていました。

『トヨタは勝ってるかな〜』

やはり気になるのは、

午前中トップを走っていたトヨタです。

しかし・・

画面を見た僕は、唖然とするとともに、

耐久レースの奥深さを思い知りました。

なんと!

レース前半に、

ハイブリッドシステムの修理のため、
1時間近くも失っていた、

『ポルシェ』がトップを走っていたんですね。

昨日このメルマガでの速報で、

トップを走っていたトヨタはというと、

現地時間の深夜、

マシントラブルでリタイヤしてたんです・・

という訳で、

総合優勝は、そのままトップでゴールした、

ポルシェのハイブリッドカーでした。

ところでポルシェは、

優勝したレース仕様の車体形状の車とは別に、

市販車とほぼ同じ車体形状の車でも出場していました。

ル・マンでは、どの車体形状の車も、

一緒くたになって走るんですけど、

この市販車形状の、

『GTクラス』と呼ばれるカテゴリーでも、

ポルシェは上位争いを繰り広げていました。

ちなみにGTクラスで優勝したのは、

イギリスの超高級車メーカー、

『アストン・マーチン』です。

この時レースを見てて印象的だったのは、

それらと上位争いをやっていた時、

なんとポルシェは、

あと残り15分も走ればゴール、

といったところで、わざわざ、

『タイヤ交換』のためにピットインしたんです・・

ここで説明ですが、

『ピットイン』している時間って、

当然走っていませんので、

その間、後続車に、

どんどんと追い抜かれていきます。

この時点でポルシェは、

上位争いから外れることになるんですが、

しかしその後が壮絶なんです・・

ポルシェと同じGTクラスで、

トップを走っていた、

アメリカの『シボレー・コルベット』が、

ゴールまでわずか数分前で、

左前輪タイヤを使い切ってしまい、

タイヤがバースト(破裂)し、

走行不能になったんです!

その結果、2位を走っていた、

先ほどのアストン・マーチンがトップに立ち、

そのままゴールしたんですね・・

その時僕が思ったのが、

残りわずか15分ほどにもかかわらず、

タイヤ交換のためにピットインした、

ポルシェの勇気と状況判断力の底深さです。

同じコースを走るレースですから、

一緒に走っている他の車だって、

タイヤの状態は似たようなもんです・・

にもかかわらず、

レースの雰囲気に流されることなく、

『無理』をしないことで上位争いから離れ、

『完走』を選択することができる、、

そういう冷静さを備えたチームじゃないと、

優勝なんて出来ないんでしょうね・・

ポルシェと同じように、

冷静になって考えてみると、

優勝の前に、

まず『完走』しなくちゃいけないことを、

どれだけのチームが実行できているか?

見た目の華やかなレースの世界ですら、

こういった地道で泥臭いことを、

確実に積み重ねていくのが、

優勝を手にするために必要なことだと・・

そういった意味でいうと、

今回のレース観戦は、

僕にとって非常に勉強になりました。

関谷はやと

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