技術力を高めるならドイツ車で
From：関谷はやと
今まで三栄自動車に入庫した車の中で、
どんな珍しい車種がありましたか？
ある読者の方からのリクエストにお答えして、
『ブリティッシュ・デー』と題して、
前回は『ＭＧ−Ｔタイプ』と
『ロータス・ヨーロッパ』という
英国車のお話をしましたが、
今回は、
『ジャーマン・デー』と題して、
ドイツ車を中心にお話ししますね。
ドイツ車と言えば、
自国語で『国民車』という名前で有名な、
『ＶＷ（フォルクス・ワーゲン）』があります。
中でも
ユニークなスタイルの『ビートル』は、
世界一売れた車として、
このメルマガでも紹介しました。
また他のドイツ車でいうと、
ビートル以外の『ＶＷ』のほか、
『メルセデス・ベンツ』『ＢＭＷ』
『アウディ』『オペル』と、、
思い返してみれば、
ほぼ全てのドイツ車が入庫していますね〜
おっと、高級スポーツカーの
『ポルシェ』も忘れちゃいけません・・（笑）
ところで、これらの中で、
印象に残ってる車は？と聞かれれば、
見た目や運転したときの印象よりも、
どっちかというと、、僕は、
メンテナンスで難儀をした車の方が、
よく憶えていますね〜（笑）
その中でも強烈だったのは、
１９８０年代後半モデルの
『ＢＭＷ３シリーズ』のエアコン修理でした。
ちなみに、
この年代のＢＭＷ３シリーズって、
バブル時『六本木のカローラ』と呼ばれてて、
ＢＭＷにもカローラに対しても、
何とも失礼な呼び方をしてたんです・・
まあ、それは置いといて、、
エアコンの室内ユニットから、
『ガス漏れ』を起こしていたこの車は、
僕の手によって
修理されることになったんですが、、
まず、部品を取り付けている
ネジ類のほとんどが、
日本の規格じゃない『インチ』でした・・
参考までに１インチは、
『２５．４ミリメートル』です。
なので、
工具を使うときには、
いちいちネジのサイズを確認せねばならず、
しかも、
室内ユニットが装着されてる場所って、
ダッシュボードにある
エアコン操作パネルの裏側の、
そのまた、はるか奥の方・・
そこにはオーディオや
エアコンの風の吹き出し通路といった
部品がぎっしり詰まってるんで、
ただでさえ隙間がないうえ、
車のフロア部分に、
あおむけに寝そべっての作業なので、
ネジサイズの目測が狂えば、
工具を握り直すだけでも、ひと苦労、
泣きたくなりましたよ・・
で、ようやく取り外したユニットを点検したら、
案の定、交換が必要な状態だったんで、
すぐ部品屋さんに注文を入れました。
ところが！
このＢＭＷは、
通称『並行輸入車』と呼ばれる、
日本国内向けの仕様じゃない車だった、
というのが判明したんです。
ちなみに並行輸入車の場合、、
部品によっては
日本向け仕様のものと合わない事があり、
そのため正規輸入元から、
部品が出ないケースもあるんですね〜
いや〜『右ハンドル』だったんで、
てっきり日本向け仕様だとばかりに・・
そこで調べてみたら、
『南アフリカ仕様』とのこと・・（笑）
（南アフリカは右ハンドルです）
いったい誰じゃ！？
そんな所から輸入してきたヤツはっ！
そして待つこと２週間あまり、、
ようやく部品が届いたんですけど、
今度は外したときと逆の手順で、
組み付けていかなくちゃなりませんよね・・
でも大丈夫！
外すときに苦労してるぶん、
組み付けるときの要領は、
頭の中で、しっかりと
シュミレーションできてますよ！
メカニックという仕事は、
こういった経験を積み重ねて、
プロになっていくんです！（笑）
あっ！？そういや、
全然『ジャーマン・デー』じゃなかったですね・・
関谷はやと
ＰＳ．今年も三栄自動車にて、
10月13日・14日の日程でイベントを開催します。
いつも入庫してくれているあなたの元には、
間もなく招待状が届く頃だと思いますので、
ぜひ予定を空けておいて下さいね〜
あなたにお会いできるのを楽しみにしてます！
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