なぜテスラだけが値下げできるのか!?
つい先日アメリカのEVメーカー『テスラ』が、
自社の量販主力モデルである『モデル3』と
『モデルY』の車両価格をこの7月1日から
3〜4%値下げすると発表しました。
ところで・・
世の中ではエネルギー価格の高騰とともに、
あらゆる物が値上がりしていることを考えると
異例の値下げじゃないかと思います。
しかも、テスラが値下げを発表したのは
何も今回が初めてじゃなく、
実は今年初めにも同じモデルを
約15%ほど値下げしていたんですよ。
その結果、
EVやPHVといったCO2削減効果の高い
車に対するCEV補助金を含めると、
400万円台で購入できるようになります。
そう考えるとこの補助金は、
もはやテスラを後押しするための
施策じゃないかと思えてきます・・
しかし、、
EVをラインアップする他の自動車メーカーが、
販売台数を増やして1台あたりの収益を
何とか維持しようとしている中で、
相次いで値下げをするテスラのスピード感は、
さすがアメリカ出身の
ベンチャー企業だけのことはあるなあと、
感心させられます。
ところで、、
テスラはそんなに値下げばかりしてて儲かるの!?
そう疑問を持つ人も多いんじゃないかと思いますが、
時系列でテスラの経営戦略を見てみると・・
テスラ以外、
誰もEVを手掛けていなかった頃
つまり創業期には、
いくら大金をつぎ込んでも採算が取れるどころか、
いつ倒産するか!?そんな状況でした。
そりゃあ、何もない状態から
大量生産を前提にして車を作るんですから、
一定以上の台数に達するまでは
採算など出るはずありませんよね。
ところがテスラは、
誰もEVを手掛けていないからこそ、
逆に自由に価格をコントロールできると考え、
既存の自動車メーカーが持っている
高級モデルと同じタイプのEVから作り始め、
価格も他社と同等かそれ以上に設定しました。
そうして1台あたりの販売収益を
高く維持することに成功したテスラは、
その後、EVに対する認知度が
世の中で広まっていくのに合わせて、
量販モデルを発表する頃には、
すでに生産技術や品質レベルを確立し、
大量生産ができる状態にまで成長していました。
なので、
他社がEVで採算が出せない今の状況下で、
テスラは値下げをしても太刀打ちできるんですね。
関谷はやと
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