EV用の変速機『eアクスル』 

From:関谷はやと


充電コンセントを接続して、
モーターで走るEV以外にも、

エンジンとモーターを組み合わせた
HV(ハイブリッド車)を始め、
エンジンを搭載しているものの
そのエンジンで走る訳じゃなく、
あくまでEV用の発電機を作動させる目的で
エンジンを回している車という風に、

自動車の動力部分には、
ここ数年で急激な電動化が進んでいます。

ところが、
車のエンジンの代わりとなるモーターって、
その構造上、実はエンジンのように、
1分間で数百回転の低速域から、
6千、7千回転という高速域まで
幅広くカバーすることはできず、

どちらかというと、
一定速度に近い狭い回転域で
作動する方が得意な機械なんですよね。

なのでモーターの回転域内で
タイヤを回しているうちは、
強烈な加速力が得られますが、
ある速度以上を必要とする場合には、
モーターの回転数だけじゃ足りなくなり、
最高速度が頭打ちになってしまいます。

そこでモーターとタイヤの間に
『変速機』を付けることで、
モーターの回転数を超えることができ、
それによってモーターだけで走るときよりも
最高速度が上がるようにしているんですよ。

ちなみにEV用の変速機は
『eアクスル』とも呼ばれていて、
実はこの領域が、
既存の変速機メーカーだけじゃなく、
それ以外の様々な企業にとっても、
EV分野に進出するチャンスとばかりに
注目されているんですね〜

ドイツの電機機械メーカー『ボッシュ』でも、
それまでEV向けのモーターは作っていましたが、
eアクスルとなると、
元々エンジン車の変速機を作っている
メーカーの方に、やはり分があります・・

そこでボッシュが考えたのは、
それまで別々のユニットとなっていた
モーターとeアクスルを一体化させ、

しかも自社で内製できるレベルにまで
技術的な信頼性を高めることでした。

その取り組みを5年前から始め、
ようやく目標レベルにまで達したことで、
あとは生産体制を整えて2025年には、
市場投入できる見込みとなりました。

またボッシュと同様、日本でも
日本電産という電機メーカーが、
eアクスルの開発と製造を行っていて、

EVを作っている自動車メーカー、
いわゆる『完成車メーカー』以外でも、
EVをめぐる開発競争が行われています。

それもそのはず・・
ある市場調査会社の発表によると、
今後EVに搭載されるeアクスルの需要が、
2035年には2019年と比べ約55倍、
今年と比べて約12倍の1250万台にまで
増えると予想されているんですよ(驚)

関谷はやと

 
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