トヨタの悩み・・　

From：関谷はやと

自動車のように、
１人のユーザーが新車を購入してから、
乗れなくなる状態になるまで、
ずっと乗り続けられていくようなケースが
少ない（というか極めて稀な）商品には、
市場原理によって
中古品の市場が形成されていきます。

その際に生まれる考え方が、

自分が新品で買った商品を、
中古品市場に流通させる、
という前提で手放すとき、
果たしていくらの価値があるのか？

これが、いわゆる
『リセールバリュー』と呼ばれる考え方で、
自動車の場合も、
中古車として人気があるモデル
イコール、
リセールバリューの高い車となるので、

買い取りや下取りの査定価格も
当然高くなります。

その前提でお話しをすると、

新車を購入しようと考える際に、
どのモデルならリセールバリューが高いのか？

まあ、、新車購入の時点で、
すでに手放すときのことを考えているのか！？
というのも、何だか計算しすぎなイメージを
持つ人がいるかも知れませんが・・

でも車のような高額商品って、
そんな頻繁に買い替える訳じゃ無いので、

次に乗り換えることを、
ある程度想定した上で車を選ぶ人の方が、
実際に僕の経験上では多いですし、

それで自動車市場全体が回っているなら、
健全だと思います。

ところが、、この市場サイクルの中に
投機的な考えが入ってくると、
話は全く変わってきます。

代表的な例が、
今年８月にトヨタから発売された
新型ランドクルーザーの転売問題です。

これは、
生産台数が少ないところに持ってきて、
元々世界中で人気があるモデルのため、

早く乗りたい、今すぐ乗りたいという人が、
世界中に存在しています。

すると、たとえ新車価格より高くても、
すぐに乗れる方が良いと考えてる人もいて、

そういう話を耳にした人の中には、

新型が発表されるのと同時に購入して、
すぐに売却すれば、
差額を手にできるじゃないか！？
と思いつく人たちが現れるんですね・・

たしかに、
需要と供給のバランスだけを考えると、

その車に乗りたいと思ってる人が納得して、
新車よりも高い価格で買っているんだから、
別にいいだろう、という考えもありますが・・

ただ、その車を発売している
トヨタにしてみれば、
『できるだけ長く大切に乗ってもらいたい』
特にランドクルーザーのような、
実用性も趣味性も兼ね備えている
モデルであれば、なおさらで、

ファンとも呼べるユーザーも、
大多数がそう思ってるんじゃないかと・・

こういった『つながり』こそが、
ユーザーとの信頼関係なので、
そこも大切にしたいトヨタにとっては、

今回の転売問題は、
とても悩ましい現象じゃないかと思いますね〜

関谷はやと

 
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