変わる販売スタイル 

From:関谷はやと


以前このメルマガで、
コロナ禍によって
アメリカの自動車メーカーが、
生産停止や減産を余儀なくされた影響で、

新車を販売しているディーラーでは、
お店に展示するための車が、
入荷しにくい状況となってしまい、

せっかく新車が売れても、
次に売る車の補充が入ってこないため、
常に在庫車が不足している、
という話をしたんですけど・・

一方では、、
展示している車が少なくなったことで、

ユーザーにとっては、
今までのように、のんびり構えていると、
自分の欲しかった車が
他のお客さんに買われてしまうので、
すぐに決めなくちゃいけない・・

という現象が起きたことで、

逆に値引きしなくても売れるようになり、
そのおかげで、どのディーラーも
かえって収益性が良くなったという、

まさに『わざわい転じて福・・』
のような状態になっているそうです。

そんな中、
アメリカの三大自動車メーカーのひとつ
『フォード』では、
今みたいに店頭に並ぶ車が、
常に不足気味な需給バランスの方が、
収益性も上がって良いんじゃないか!?
という見方をするようになり、

そこで従来のような、
売れ筋の車を大量に見込み生産して、
それを店頭に並べて買ってもらう、
といった販売方法を見直し、

インターネット経由で、
ユーザーから直接注文を受け、
1台1台、受注生産する形を採りながら、
見込み生産の台数を減らすことで、

工場から店頭に並ぶまでの間を
流通している在庫車の台数も減らせ、

さっきもお話しした通り、
収益性が良くなると考え始めたんですね。

ちなみに、
アメリカの新車販売スタイルは、

ディーラーの店頭に並んでいる新車の中から、
ユーザーが自分の欲しい車を選び、
契約を終えたら、
その場で新車に乗って帰ることができ、

日本でいう新車の登録は、
後日改めて行うというのが主流です。

つまり、
新車を注文してから納車されるまでに、
数週間とか数か月待たなくちゃいけない、
みたいな日本の販売スタイルとは、
大きく異なるんですね〜

なのでフォードが、
これからやろうとしている、
インターネット経由での受注生産は、

日本でなら割とスムーズに
受け入れられると思いますが、

果たしてアメリカでうまくいくかどうか?

しかも、
同じ車を大量生産する方法を発明したのは、
他ならぬフォードなんですよね。

そのフォードが、
自ら発明した大量生産を見直し、
1台ごとに仕様の異なる受注生産へと
切り替えようとしているのは、

ある意味、
自動車の生産方式や販売スタイルが、
従来のやり方から大きく変わる
前触れなのかも知れませんね。

関谷はやと

 
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