（今度は）エアバッグの威力　

From：関谷はやと

インターネットの『エンタメ欄』に
あるお笑い芸人の方が
番組のロケ中にケガをした・・
という見出しが載っていました。

最初僕は、このニュースの
見出ししか見てなかったので、

まあ、生きていれば誰だって、
何らかのアクシデントにも見舞われ、
そりゃ時にはケガをすることもあるでしょう・・
くらいに思ってたんですね。

ところが！
別の記事を読んでいた時
たまたま今回のケガの原因についての
コメントが載っていて・・

それを読んだ僕は、
『まさか、そんなことするんか！？』
みたいな衝撃を受けたのと同時に、
あまりの無謀さと危なさに、
これはあなたにもお話ししておかなきゃ、
そう思ったんですよ。

というのも、
ケガをしたテレビ番組のロケというのが、

車のハンドルに装着されている
『エアバッグ』とよばれる安全装置を

今回、その芸人さんが、
車から取り外したエアバッグの上に乗り
作動させたらどうなるか？
みたいな実験をしたんだそうです。

その際、芸人さんの身体は、
１メートルほど宙に浮いたそうですが、
浮いた時の衝撃で脊椎（せきつい）を損傷し、

おまけに、
落ちた時に身体を支えていた手まで
骨折するという大ケガを負ったんだとか・・

ところで、
エアバッグという装置は、
事故によって車が衝突した際、
その衝撃を感知すると
一定条件の下でエアバッグが展開し
クッションとなって乗員の身を守る、
という役割を担っています。

つまり、
人間の身体を衝突の衝撃から守るくらい
強力な展開力を備えているのが、
エアバッグという装置なんですね。

ちなみに、
僕たちメカニックが、
使わなくなったエアバッグを
廃棄処分のために展開するときには、

事故やケガをしないようエアバッグの上に
古タイヤを積み重ねて『重し』代わりにして、

さらにそれをロープで縛ったうえで
実施するように指導されています。

なので、報道にもあったように、
そんなものの上に乗っかっていれば、
人間の身体を、
１メートルくらい宙に浮かせるなんて、
難なくやってしまいます・・

そして、
実際に衝突事故やなんかで
エアバッグが作動すると場合によっては、
その時の衝撃で乗員の肋骨が
折れてしまうくらいです。

まあ、自動車メーカーに言わせれば、
事故の衝撃で乗員が車外に放り出されて
命を危険にさらすのに比べたら、
肋骨を折るくらい許容しなければ・・

なんて過激な論法が、
エアバッグを採用したときの
そもそもの背景になってますので、

いくら視聴者の興味関心に応えるため、
とはいっても、
エアバッグのように危険なものを、
本来の目的以外には使っちゃいけないんです！

関谷はやと

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