モートマン　

From：関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

昨日の晩、

テレビ・ニュースを見ていたら、

日本のニュースを海外の人に見てもらって、
そのコメントを紹介する、という、

一見するとバラエティか？

と思うようなニュース番組をやってました・・

その中では、

２０年近く間にソニーが作っていた
『ＡＩＢＯ（アイボ）』という、
犬型ロボットが登場してたんです。

ちなみに、
『ＡＩＢＯ』というロボットは、
当時、生身のペットの代わりとして、
多くの人に大切にされていましたが、

ただ、
２０年も経つと壊れてしまったり、
色んな事情で、元々の持ち主さんが、
手放さざるを得ない状況になったり・・

そういうＡＩＢＯを引き取って、

いま動いてる元気なＡＩＢＯのために、
『部品取り』として再利用されることに・・

まあ、ちょっと複雑な心境ですが、

なにぶん機械モノなので、
そこはしょうがないところですね・・

ただ、そうはいっても、
持ち主さんの思いが詰まった
『ペット』には違いありません。

『それなら部品取りをされる前に・・』

ということで、
集められたＡＩＢＯの『合同葬』が、
どこかのお寺で開催されてました。

で、今回のニュースでは、
『ロボットに合同葬って、どう思うか？』
に関するコメントを海外の人から集めていました。

ニュースを見ていた僕は、

『そんなナンセンスな質問しなくても・・』
と思いましたが、、番組の構成ですから、

これも仕方ないんでしょうね。

ただ、
そのニュースを見てて思い出したのが、

そういや僕が、
自動車製造メーカーで働いてたとき、
（ちなみにボディーの溶接部門です）

そこにも『ロボット』がいましてですね、、

しかも、、
牛一頭くらいの大きさのが、
数十台もズラッと並んでましたから、
その風景は何とも圧巻でした！

『モートマン』

という製品名がつけられたそのロボットは、

溶接する部位ごとに、
必要な動きをするようプログラムされてましたが、

とにかく毎日、休みなく溶接をしてましたね〜

しかしロボットといえども、
長年使ってると『ガタ』が来るんです・・

おまけに、
毎日同じ動きばかりしてるので、

それが長年のクセのようなガタとなって、、

すると、『人間』と同じように、

手先や腕を使ってる人だったら
『腱鞘炎（けんしょうえん）』

重いものばかり持つ人なら
『腰痛』みたいに、傷む箇所が、

ロボットごとに違ってくるんで不思議です（笑）

しかも・・
ガタが来たままで放っておくと、

これまた人間と同じように、
やがて動けなくなるんですね〜

当然、生産計画にも影響するので、

僕がやってた仕事は、朝一番に、

『モートマン』に向かって、

『お〜い、今日も元気か〜！』とか、

『よう！調子はどうだい？』みたいに、

声を掛けることからでした（笑）

でも、これって実は、、
ロボット内部の部品が摩耗してるかどうか？
だけの問題なんですけどね・・

ただ、、例えロボットだとしても、
こんな風に毎日顔を合わせてたら、

ついつい感情移入してしまうんですよね〜

なので、ゆうべ僕が見た、

ニュース番組のような質問はナンセンス、

当事者だけにしか沸かない感情もあるんです！

でも、それこそが人の心が持っている、

味わい深い部分じゃないかと思いますよ。

関谷はやと

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