やばい・・売り上げが10分の1に(泣) 

From:関谷はやと

プライベートデスクにて。

今回のタイトル、
販売やサービス業に携わってる人にとっては、
なかなか過激だと思います。

もし、こんなことが現実に起こったら・・

想像しただけでも、
途方に暮れそうになりますよね。

ちなみに、
三栄自動車のことじゃないんで、
そこはご心配なく・・

ありがとうございます!(笑)

ところが、、

信じられないかも知れませんが、
実はこれ、本当にあった話なんです!

それが、
神奈川県で日産自動車の下請け工場として、
車の車体(ボディー)を作っていた会社です。

それまでは、
月間5000台ものボディーを受注製造していたのに、

日産という会社自体が、

フランスのルノーグループの一員になったため、

世界各地で車を作る、という風に、
日産の経営方針も変わってしまいました。

ということで、

その影響をモロに受けてしまい、

年を追うごとに受注台数が減って、

それまで月間5000台受注してたものが、

2011年には、月間わずか500台・・

タイトルの通り10分の1です・・

ここまでになると、

会社の規模や経営内容を、

ちょっとやそっと見直したくらいでは追い付きません。

これで普通なら『ゲームオーバー』

つまり、
廃業を余儀なくされもおかしくない状態です。

ところが、
このボディー会社の社長さんは、

こんな経営環境になっても諦めるどころか、

新規事業へと乗り出したんです!

その一つが『レストア』と呼ばれる、

クラシックカーやビンテージカーとか、
旧車と言われる年代物の車を、

内外装ともにきれいに仕立て直して、

車そのものの価値を高める方法です。

ところで、

一般的に『レストア』って、

コレクターとか、

マニアの方々に向けたサービス商品です。

なので、車に乗っている誰もが、

しょちゅう依頼してくるような仕事じゃないため、

市場規模自体も、ある程度限定されます。

そのような理由から、

実際にレストアを行っている業者さんって、

家内工業的に少人数でやってる感じです。

特に、日本の場合はその傾向があります。

でも、だからといって、

レストアの需要が全く存在しないのか?

と言えば、そうじゃありません・・

どっちかというと、今までは、

新車メーカーの販売力が強すぎて、

古い車に対して、
骨董品のような価値を見出すところまで、

僕たちの関心が向かなかったことが

原因の一つだと思います。

しかし!

先ほどのボディー会社の社長さんは、

『とは言っても、技術も設備もあるし・・』

一見短絡的とも思える思考で、

それまでの新車のボディーを製造する事業以外に、

『レストア事業』を加えることを思いつきました。

まあ・・

元々備わっている物の向け先を変えるだけですから、

考えてみればシンプルなんですけど、

ただ、車のように、

技術の進化スピードが早いものは、

新たな材料から作り始める新車より、

古い車を元の状態以上に仕上げることの方が、

技術力が必要なので、はるかに大変です!

その反面、

趣味性の強い仕事のため、やってて楽しいのも事実です。

逆に言うと、関心も持たず、

楽しめない人にはレストアの仕事は向きません。

それよりも僕は、この社長さんが、

後に引くより、

前に進む方に賭けた理由に興味を持ちました。

その日からというもの、

ベテランスタッフの技術を『レストア』を通じて、

若手スタッフに習得してもらうため、

例えば『アルミ素材の溶接』といった、

1つの技術項目に対して

1年間もの習得期間を設けるプログラムを、

何項目も作って技術継承を始めたんですね。

この取り組みが功を奏して、

それまで、

『ただ仕事としてボディーを作っている・・』

という感じだった若手スタッフの間にも、

趣味性の強い『レストア』を通じて、

技術取得に取り組むことへの『楽しさ』が芽生え、

今では、

難易度の高いアルミ溶接のできる技術者が多数育ち、

短期間でも大量生産に対応できるようになったそうです。

そのおかげで、

防衛省から『装備品』の注文が入るまでに、

事業内容のバリエーションが増えたんだとか・・

僕はこの記事を読んで、

若手スタッフが成長したことで、

新規事業が成功につながり、

その結果、会社の経営状況も改善した・・

という評価ももちろんですが、

そんなことよりも、

売り上げが、

『それまでの10分の1』といった、

危機的状況にもかかわらず、

レストア事業に踏み切った勇気と、

それを進めるために、

資金調達をやってきた経営陣に対して、

『すごい決断力だなあ』と、

あらためて感心しました。

と同時に、

『もし僕が同じ立場だったら、どう決断するだろう・・』

そんな考えも頭をよぎりました。

関谷はやと

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