独自のルールが・・ 

From:関谷はやと

プライベート・デスクにて。

このメルマガでも話題にした、

鉄道にまつわる写真撮影を趣味にしている、
『トリテツ(撮り鉄)』と呼ばれる人や、

コンビニの床に示された『レジ待ち案内の矢印』

混雑した駅のホームで電車を待つ人々の整列など・・

これらには共通して、
『独自のルール』があることをお話ししました。

人は集団の中で生活してる以上、

ルールがあること自体は必要です・・

しかし、

時にはそのルールが独り歩きして、

『えっ、マジか!?』みたいな衝撃を受けることもあります。

今回は、
僕のクルマ業界にまつわるビジネスの1つ、

『中古車業界』についてお話しします。

いきなりですが、
中古車の『中古(ちゅうこ)』って、
面白い表現だと思いませんか?

『中くらいに古い』という意味なんでしょうけど、

車ばかりに限らず、中古って、

新車に近いのもあれば、

中くらいどころか、
どうしようもなくオンボロで、
『どうやっても走らんぞ!泣』みたいな車も、

すべて『中古車』と呼ばれ、

その次の段階に行くと、
一気に表現が変わって『ポンコツ車』って呼ばれます。

そして、
この『中古車』の価値を決めるのが、
僕たち『中古車業者』なんですけど、

中古車の価値って、
どうやって決めてると思いますか?

ちなみに新車の場合は、
『標準小売価格』というのがあって、
ほぼ一定の金額です。

しかし、中古車の場合は、
一台一台程度や状態が違うため、
価格もそれに合わせて違います。

とはいえ、価格を決めるとき、
お客様の足元を見るような決め方をしてしまうと、
信用なんてあったもんじゃありませんよね。

まあ、品物がない昔はそれが当たり前だったようですが・・

そこで、中古車の程度を公正に見極めるための、
『査定』という手順を経ることになります。

もちろん『査定』は、
査定士と呼ばれる資格を持つ人が行って、
初めて中古車の価値が決められるため、

同じ中古車価格でも、
『相場師』が決めた価格とは、
信頼性が違います・・

と言いたいんですが、

これも10年近く前までの話で、

中古車の流通が、
全国規模のオークション会社や、
買い取り専門店が主導するようになってから、

現在の『査定の基準』は、
『中古車オークション会社による評価方法』が、

主流になっています。

また、車のボディー構造も、
より衝突安全性を増したことから、

以前なら『事故車扱い』にされていた部分の修理が、

現在では『無事故車』と査定される車種も増えました。

こういった大きな評価方法の変更も、
オークション会社の主導で変わっていた感じです。、

まあ全ての中古車がそうだという訳じゃないです。

ところが・・

僕も一応『査定士』の資格を持っていて、

3〜4年に一度、
資格更新のための講習を受けるんですが、

そのたびに、
明らかにオークション会社の評価方法を基準にしたような、

『査定ルールの変更』があるんです・・

これって、どういう事かというと、

いわゆる『事故車扱い』の中古車は、
『相場価格』より安くなりますが、

それが『無事故車』だと評価されたら・・
どうなるでしょうか?

要は『相場価格』のままで売買することができます。

ただ、
安全性を損なうような箇所については、
『事故車扱い』とするように、

かろうじて『査定』が役立っていますが、

中古車の流通方法が時代と共に変化したことで、

『査定のルール』も変わらざるを得なくなったんですね・・

今後、個人同士による

インターネットの中古車流通が発展して、

実際に車を査定する行程を経なくなると、

果たしてどうなっていくんでしょうか・・

ちょっと心配しています。

関谷はやと

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