トヨタの決断　

From：関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

先日、自動車業界向けの日刊紙に、

『トヨタがチャンネル制からエリア制に！』

という内容の記事がありました。

どういう事かというと、

現在トヨタの国内販売体制は、

カローラ、クラウン、アクア、プリウスといった車種を

特定のラインアップごとに専門化した、

『チャンネル』（販売会社＝ディーラー）を設け、

都道府県ごとに分けた、

一定の地域に任せて専売させることで、

価格競争をしなくて済む販売体制にしています。

ちなみに現在のトヨタのディーラーは、

『トヨタ店』『トヨペット店』『カローラ店』
『ネッツ店』『レクサス店』と、

５つのチャンネルになっています。

また、

トヨタ自動車内の国内販売担当部門も、

地元ディーラーと同様、

ラインアップごとに５つのチャンネルに分かれて、
全国のトヨタディーラーを取りまとめています。

ということは同じトヨタの社内に、

『トヨタ店担当』『トヨペット店担当』
『カローラ店担当』『ネッツ店担当』
『レクサス店担当』という具合に、

５チャンネルともある愛媛県でいうと、

ディーラーを担当してる人が５人いるわけです。

ところが、この最近になって、

トヨタの国内販売戦略が変わり、

『フルライン戦略』と呼ばれるように、

アクア、プリウスといった一部の車種については、

どのディーラーでも販売されるようになりました。

すると今までのように、

ラインアップごとで専売していた『チャンネル制』だと、

かえって複雑になります。

そうなると、トヨタにしてみれば、

『各県のディーラーごとに５人もいらんやろ！？』とか、

『フルラインだったら１人で十分やろ！？』

といった感覚になりますよね・・

そこでトヨタでは、来年１月から、

全国を『北海道』『東北』『関東』『中部』
『近畿』『中四国』『九州以西』と、

７つの販売地域（エリア）に分けた、

国内販売体制に変えるそうです。

これで、

各県のディーラーごとに分かれていた５人から、

１人になるわけです・・

ただ実際には、

今よりも販売エリアが広範囲になるんで、

１人じゃ面倒見切れるはずもなく、

結局ラインアップごとの担当者が、

複数のディーラーを担当するようになるだけです。

ただ、、これで将来、

大きく影響を受けるのが、

各県にある地元のディーラーです。

例えば愛媛県には、さっきお話ししたように、

ラインアップごとに分かれた５つのディーラーがあります。

これが『フルラインアップ』となると、

愛媛県のトヨタディーラーは、

１社で十分ということです・・

ただ、愛媛県みたいな地方のディーラーって、

元々地域に密着してた有力な企業が、

世の中に自動車が普及していなかった頃から、

ディーラーを始めた所ばかりです。

なので、トヨタにとってみれば恩人なんです。

それでも！

今回の『エリア制』を、

そういう背景を理解した上でやるということは、

トヨタですら、

将来の日本の自動車市場を見通したとき、、

今のトヨタの販売体制では巨大すぎる、

と判断したんでしょうね・・

『余力があるうちに手を打つ・・』のが、

いかに大切かということです。

関谷はやと

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