美談を真似てはみたんですけど・・の続き
From:関谷はやと
プライベートデスクにて。
前回のメルマガでは、
ある有名な企業の社長さんが、
『入社試験なし、面接なし』
『しかもエントリー順に採用!』で、
新入社員の採用をやっている話をしました。
その社長さんの持論は、
新入社員採用の時点では、
どれだけ仕事が出来るかなんて、
分からないんだから、
誰が入社したって大して変わらない・・
それよりも、
入社してからどれだけ頑張るかの方が大事、
だったら、まず最初に、
ウチの会社に来てくれた人を採用する方が、
よっぽど、その人物には見込みがある。
と仰ってました。
前回も話したように、
『入社3年目までの離職率が30%超』
という現実を目の当たりにすると、
う〜ん、確かに一理ありそうです・・
僕はこの話を何年か前に、、
ビジネス誌か何かで読んだんですね。
そして9年前に、
父親が創業した三栄自動車の、
後を継いで間がない頃、
経営者として、
まだ純真そのものだった僕はですね・・(笑)
あろうことか、
この社長さんの話を真に受けて、
スタッフの採用活動をしたんですね。
だって・・
この方が『粋(いき)』だと思ったし、
そして何よりも、
相手との『縁』を感じるじゃないですか。
その時入社したスタッフは、
知り合いの紹介で、経験者だったこともあり、
あまり深く考えずに採用しました・・
ところが、そのスタッフときたら、
経験があるので仕事自体は、
そこそこできるんですが、
いい歳して、何度指導しても、
しょーもないことに反抗的な態度を取るわ、
そしてとうとう、
他のスタッフのパフォーマンスにも、
影響が出始めたので、
僕はそのスタッフに、
ハッキリ『クビ』と言い渡し解雇しました。
ドナルド・トランプ氏の名セリフ、
『You’re Fired!(お前はクビだ)』
を地でいった訳です・・
でも、こんなのはお互いにとって、
あまりいい経験じゃありませんね・・
そのとき思ったのが、
例の社長さんの言葉どおりにしたのに、
何でうまく行かないんだろう・・でした。
社長には向いていないんじゃないか、とか、
自分には人物を見る目がないのか・・と、
独りで悩む日々。
そこで僕は、
取引き先である建設業の社長さんに、
教えを乞いに行きました。
というのも、
その会社で働いている職人さんたちが、
まあ結構な年齢のベテランばかりなんですけど、
全員が真面目で几帳面な人たちで、しかも、
ずーっと、そこで働いているんです。
僕は単刀直入に、
『どうやって採用・育成しているんですか?』
そう聞くと、
『なあに、いかん奴は、そのうち合わんなって、
自分からおらんなるよ。ウチはそういうとこやけん』
という答えでした。
直訳すると、
『仕事に馴染めない、馴染ませようとしない人は、
自然と自分から辞めていく』となります。
そして最後の『ウチはそういうとこやけん』は、
自分の会社には、職人として必要な、
真面目とか几帳面な仕事ができない人は不要。
という経営方針に自信を持っているからこそ、
結果として、そういう人しか、
その会社には残っていないだけ、
という意味だったんですね・・
それを聞いた僕の頭の中で、
全てが一つにつながったんです。
つまり、
会社の経営理念に共感出来る人、
あるいは共感しようと努力する人だけしか、
そこで働き続けることなんてできない、
ということです。
それに気付いてからは、
人の問題で、どんなことが起こっても、
毅然と向き合うことを覚え、
毎日頑張ってくれているスタッフと、
あまりそうじゃないスタッフとを、
意識の中で区別するようにしました。
もちろん、そうは言っても、
皆大切なスタッフですから、
全員のことを常に気にかけ、
個別に指導したり、話を聞いたりしています。
それでも何名かのスタッフが、
三栄自動車を後にしましたが、
『合わない者はしょうがないよ』
そう割り切れるようになって、
悩むことも無くなりました・・
しかし、
このメルマガを読んでいる人の中には、
僕が取った行動に対して、
『お前はなんと冷酷なヤツだ!』と、
嫌悪感を覚える人がいるかも知れません・・
ただ、誤解を恐れずに言うと、
初めに紹介した、
『入社試験なし、面接なし』
『しかもエントリー順に採用!』
の社長さんも、
その新入社員がダメだと思ったら決断するし、
まあ、社長自身がそんなことをしなくても、
その会社で働いている別のスタッフや、
会社全体が毅然とした経営をしているという、
自信があるからこそ、
あのような採用方法ができるんですよ。
なので、記事の最後に、
『採用した以上はフォローもします、
しかし、
それでもダメなら面倒は見れません・・』と、
付け加えて欲しかったです・・(笑)
でも、
こうハッキリ言える経営者って、
僕が知っている限り、
自社のスタッフをものすごく大切にしていますよ。
でも世の中で売られているビジネス雑誌って、
経営者ばかりじゃなく、
色んな層の読者がいますので、
うまくいった部分だけを取り上げて、
美談に仕立ててしまいがちで、
僕が経験したようなドロドロとした部分には、
あまり触れたがらないんでしょうね・・
しかし!
そうした遠慮が、以前の僕みたいに、
真に受けてアホな行動を取ってしまう経営者を
生み出しているのも事実なんです。
関谷はやと
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