ストック・オプション
From:関谷はやと
三栄自動車の事務所にて。
6月に入ってから、
経済界のニュースで世間を賑わせているのは、
『株主総会』とか、
経営者が受け取る『役員報酬』の話題ですね。
ちなみに自動車業界だと、
日産のカルロス・ゴーン氏が、
今年も『8億円!!』の役員報酬が、
株主総会で承認された・・
という話題が出てきたばかりです。
いやあスゴイですね〜8億円・・
サマージャンボ宝くじのような金額です(笑)
ところで、毎年議論になるのが
ゴーン氏に限らず、、
8億円といった高額な報酬自体が、
『高いか安いか』という議論なんですけど、
はっきり言って、
『他人の給料の額なんて放っときゃええやん・・』
とか『考え方によったら安いでしょう・・』
そう思います。
というのも、
日産のように、
株式市場に上場している企業って、
本業である事業会計とは別に、
(日産の場合は車を造って販売しています)
投資家による株式の売買によって、
会社の価値(時価総額)が上下します。
ちなみに日産の時価総額は、
このメルマガを書いている現時点で、
4,564,703百万円です・・
(yahooファイナンス調べ)
もう少し分かりやすく書くと、
4兆5647億3百万円!
金額が大きすぎて、
何だか、よう分かりません・・(笑)
ただ、一企業で、
これだけの価値を生み出す会社の経営者です。
しかも、日産のように、
世界中に市場を持っている企業の経営者ともなると、
その影響力の大きさから、
逆に、いつ何時、
身の危険にさらされるかも分かりません・・
そういう見方をすると、
ゴーン氏の役員報酬だけが、
それほど飛び抜けている訳じゃないと思いますが・・
一庶民の心情としては、
『8億円も貰って何に使うんやろ?』と、
僕も要らぬ勘繰りをしたくなりますが、
世間のニュースのように、
仮にも民間企業の経営者の給料について、
いちいち議論するのって、どうかと思います。
そんなことから、
ゴーン氏のように、
高額な役員報酬を受け取っている、
他の大企業では、
あまり目立たないように、
という意味からも、最近では、
見かけの給料額を低く設定する代わりに、
『ストック・オプション』と呼ばれる、
自社の株式を取得する権利を、
役員報酬やボーナスの代わりとして、
支給する企業も増えています。
しかしですね・・
こんな理由だと逆にセコい感じがして、
聞いている僕たちの方が情けなくなってきませんか?
それだけ価値のある仕事をしてる自負があるんだったら、
堂々と貰えばいいのに・・と思います。
ところで、
本来のストック・オプションというのは、
さっきのようなセコい理由じゃなく、
会社が持っている、
現金という限りある資産を、
役員報酬で払ってしまうんじゃなく、
現金は、
設備投資や研究開発、原材料仕入れなど、
より直接的な事業活動に使い、
役員報酬には、株式という、
いつでも現金化できる『価値』で支給しよう。
これこそ大企業の経営者に求められる、
『滅私奉公』な姿じゃないかと思います。
このケースで有名なのが、
米アップル社の『スティーブ・ジョブズ氏』です。
彼は創業メンバーだったにも関わらず、
経営方針の違いから他の役員たちと揉め、
一度は解雇された過去がありました。
その後、
経営不振に陥ったアップルを立て直すため、
再び経営者として招かれたのですが、
その時の有名なエピソードが、
『自分の役員報酬は年1ドルでいい・・』
というセリフでした。
しかし実際には、それと同時に、
『ストック・オプション1000万株!』という、
文字通り『破格のオプション』があったんです。
なんと当時の金額で100億円・・!!
100億円と聞いても僕たちは、
『高すぎるやろ!』なんて思いませんよね。
つまりスティーブ・ジョブズ氏は、
それだけ価値のある事業を成し遂げていた、
と言えるんじゃないでしょうか。
関谷はやと
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