中古車貿易、光と影。
From:関谷はやと
三栄自動車の事務所にて。
僕が車のメンテナンス以外に、
『販売』という仕事を手掛けて、
25年ほど経ちましたが、
始めた頃から、すでに存在していたのが、
『中古車貿易業者』の人たちでした。
出身国別でいうと、インドの左横に位置する、
『パキスタン』という国の人たちです。
彼らに聞いてみると、
パキスタン人の中古車貿易業者は、
世界中の中古車市場で活躍しているらしく、
『車のあるところには必ずいる』そうです。
今日、車業界向けの日刊紙を読んでいると、
現在パキスタン国内の中古車のうち、
20%以上が日本から輸入された中古車で、
新車に至っては、
日本車のシェアがほぼ100%だそうです。
という具合に、
パキスタンという国って、
車においては『超親日』の国なんですよ。
僕のところにも、
パキスタンからやって来た人たちが、
中古車を仕入れに来ます。
彼らは、
ユダヤ商人、華僑、アラブ商人と、
世界の3大商人といわれるうちの、
アラブ商人にあたりますが、
彼らのビジネススタイルの中で、
何がすごいかというと、
その『語学力』です。
アラビア語に近い『ウルドゥー語』が公用語で、
そのほかに英語はもちろん、
日本語(漢字は苦手・・)、インドのヒンディー語と、
だいたい4〜5か国語の会話ができます。
しかも、内戦や紛争などで政局が不安定な上、
日本のような教育制度の整っていない国で、です。
彼らに聞いてみると、
まともに学校を出ている人は少なく、
公用語以外の語学習得は、
現地(日本)での生活と、
ビジネスで習得されたものだと話してました。
知り合いもなく、言葉も習慣も違う国に渡り、
ビジネスを展開している彼らは、
本当に『たくましい』精神を持っています。
ところで、
車において『超親日』なパキスタン、
最初からこうだったわけじゃなく、
元々は彼らのような、
たくましいアラブ商人が、
中古車の輸入を細々と始めてたにすぎません・・
そうやって少しずつ、
仕入れから、輸送、決済のネットワークを築き、
現在のように年間5万台もの中古車を、
日本から輸出するようになりました。
そうやって、
日本車が定着していく様子を、
それを虎視眈々と眺めていたのが、
日本の商社と日本の自動車メーカーです。
日本車の評価が上がり、
その国の人々がさらに新しい日本車を求めるようになると、
商社は『新車を輸出』し始めます・・
さらに、それでも供給が追い付かなくなると、
今度は自動車メーカーを誘って、
『現地で生産』するようになります。
その国にとっては、現地生産によって、
一つの産業が興りますので雇用も生まれ、
また周辺の国々に輸出することで外貨収入も期待できます。
ということで歓迎されることになるんですが、
この時、必ずといっていいほど、
今まで輸入されていた中古車に、
『高額な関税』を課税します。
なぜなら、
自国で生産し始めた車を売ろうとしているときに、
安くて品質の良い日本製の中古車が入って来ると、
新車が売れなくなるので、
新たに興った国内産業を保護するために、
このような施策が取られるんです・・
これって、ことわざにもありますが、
『トンビに油揚げをさらわれる』ですよね・・
早い話『理不尽』なことです・・
しかし、ビジネスにおいては、
いくら嘆いたところで事態は好転しません・・
厳しい世界です。
国際貿易の実態など、
ほとんどの人が知りません。
テレビのドキュメンタリーなどでも、
クローズアップされるのは、
たいてい、
『商社によって市場が開拓された』とか、
『日本の自動車メーカーが現地に挑んだ』
というような光の部分です。
でも実際には、
何もないところから、勇敢に市場開拓に挑んだ、
本当に名もないビジネスマンたちがいて、
初めて成り立つのが『貿易』なんだと・・
僕は実際に彼らとビジネスをしてて、
そう思いました。
関谷はやと
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