コケない方法その1 

From:関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

ずっと前に読んだ雑誌の中に、

作家の村上龍氏が、
何かに目覚めたのか、30歳代を迎えてから、

生まれて初めて『バイク』に乗りたくなって、
教習所に通いながら、
カリキュラムをこなしていく様子を語っているコーナーがありました。

まずバイクに跨った感想として、

特に『スキー』『サーフィン』『バイク・自転車』のような、
バランス感覚が必要なスポーツって、

大人になってから始めると、
『平衡感覚』を養っていくのがとても大変だ、

という内容の話をされていました。

なぜ僕が、
急にこんな話を始めたかというと、

今日久しぶりに自転車に乗る機会があって、

『平衡感覚』を意識したからなんです。

といっても、
すぐ近くで用事を済ましてきただけなんですけど・・

でも、こんなことを意識するようになるのって、

普段どれだけ、
『平衡感覚』が必要なことをやっていないか、
ということですね・・

ところで、

自転車に乗ることができる方で、

初めて自転車に乗った時のことを憶えている方って、
どれくらいいるでしょうか?

僕は憶えていない方なんですけど。

ただ僕は、自転車をコケずに、

しかも短期間で乗れるよう、
人に教えるのは得意ですよ。

まあ、自分で言ってる程度なんで、
大したことはないんでしょうけど・・(笑)

でも、僕が教えた方法で、
自転車に乗れるようになった人って、
けっこういるんですよ。

僕の子供のほかに、
友人やお客様の子供さんなど多数です。

どうやって教えるのかというと、、

でもその前に・・

自転車の乗り始めって、
たいてい『補助輪』といって、

自転車の後輪の左右に、
小さなタイヤをつけて、

ふらついてもコケないように、
対策をしてから乗り始めますよね。

問題はその後の、
どうやって補助輪を外していくか?です。

人によったら、
得意なカーブの方の補助輪を外したりして、

徐々に段階を経て外していきます。

でもこの方法だと、

そもそも自転車に乗ろうとする本人の資質、
つまり平衡感覚や、乗るための努力によって、

その後の成果が左右されます。

というのも、
僕自身が補助輪を外して乗れるようになるまで、
相当の期間が必要だったからです。

当時、近所に住んでいた同級生たちの方が、
僕よりも圧倒的に早く乗れるようになって、

焦ったことだけは憶えています・・

しかしその後、
僕自身がバイクに乗れるようになって、

その過程で、いかにコケないように、
そして短時間で自転車に乗れるようになるか、

という方法を思いついたんです。

その時に気が付いたことが、

まず補助輪を外すには、
心理的な要因『恐怖心』をクリアする必要がある、
ということだったんですね。

つまり『コケたらどうしよう』とか、
『コケたら痛いんかな?』という、

まだ経験したことがない、
未知のものに対する恐怖心です。

その『恐怖心』を取り除く方法として、
『絶対コケない』という状態を作ってあげます。

まず、自転車のスタンドを立てた状態にします。

子供がサドルに座り、
そして僕がうしろの荷台に座り、

両足で踏ん張って自転車を支えます。

そうやってから直進の練習です。

ペダルを漕ぎ始めたら、

「おっ、補助輪なしで自転車に乗れてるやん」
と、褒めてあげます。

するとすぐに、
「前に動いてないのに、当たり前やん!」
と、鋭いツッコミが入ります。

何事も円滑なコミュニケーションが必要です(笑)

たしかにその通りで、

スタンドは立ったままだし、
僕も両足で踏ん張っているので、

ペダルを漕いでも、ぜったい前には進みません。

やがて、
その場でペダルを漕いでるだけだと、
すぐに飽きてしまいます。

つまり、ペダルを漕ぐことには慣れたわけです。

そうなると次の段階です。

視線をなるべく遠くに持っていかせます。

それが出来れば、
今度はその場でハンドルを左右に切ります。

その際、うしろの荷台に座っている僕が、
「はい、ハンドル右に切って!」
「次は、左に曲がるよ〜」とガイドします。

手元を見ず、あくまでも視線は遠くです。

でも自転車は前進しないので、
子供はすぐに飽きて次の段階へ進みたくなります。

これで、
『最初の恐怖心』を取り除くことと、
『もっと乗りたい』という欲求を持つことに成功です。

次回へ続きます。

関谷はやと

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