商品名をめぐる争い 

From:関谷はやと

インターネットのニュースサイトに、
首都圏を中心に国内外に店舗展開する
ラーメン店が商品のネーミング
(商標権)をめぐって、
神奈川県の酒造メーカーを訴えた・・
という記事がありました。

事の行方は公に任せるとして、
たしかにラーメンでもお酒でも、
作り手が思いを込めた名前を付けているので、

たとえ偶然だったとしても、
別の分野で同じ商品名のものがあれば、
作り手の意図とは異なる商品イメージが
ユーザーに伝わってしまう、そんな理由で
別の商品を快く思わないという話も聞きます。

そこで、作り手が商品名に対して
一定の権利を有することができるルール
『商標権』が認められているんですね。

話は変わります、、
この30年間で急成長を遂げた中国では
一時期、日本の地名や固有の商品名などが
中国国内で商標権として認定され、
それをめぐって数年前には
半ば言いがかりとも取れるような訴えが
数多く発生しました。

まあ、こんな書き方をするとどうしても
『だから中国のビジネス慣習は・・』みたいに
批判的な印象を持たれるかも知れませんが、

でも、訴えた側にすれば
認められた商標権を相手に伝えた上で、
同じ名前を使うのなら商標権の使用料を
支払ってください。あるいは
商品名を変えるか使わないで欲しい・・
と訴えているにすぎません。

ただ、これは理性的な側面だけの話で、
感情的にはどうなのか?というと、
例えば訴えられた側にすれば
『昔からその商品名でやってるのに、
急にそんなこと言われても困ります』
となるため、
すぐに受け入れられないんですよね〜

このように商標権をめぐっては、
一定のパターンが存在するため、
ずる賢く考える人にとって、
格好の稼ぎ口になるのも事実です。

余談ですが、
僕がトヨタにいた30数年前にも、
トヨタが世界基準の高級車市場に
進出しようとしていた時期で、

『レクサス』をアメリカで発売する際、
商標権やレクサスと似たような名前が
すでにアメリカ国内にあるかどうか!?
といったことを綿密に調査したうえで、
レクサスというブランド名に決まった。
そんな話を聞いた記憶があります。

そのためトヨタ社内でも
レクサスの名前を知っているのは
ごく一部の関係者だけで、その名前は
発表直前まで伏せられていました。
なので僕たち社員はレクサスのことを
『開発コード名』で呼び合っていたんですよ。

そのくらい新しい商品名をつける際には
慎重に進められるのがビジネスの現実です。

関谷はやと
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