ハンドルの位置を右から左に　

From：関谷はやと

前回のメルマガでは、
アメリカのＥＶメーカー『テスラ』が
自動運転やバッテリーの容量アップ
といった機能を外部通信によって
後からでもアップグレードできるよう

あらかじめ、
車載コンピューターの容量に、
余裕を持たせた状態にして
車を生産しているというお話しをしました。

ちなみに、
この方法はパソコンやスマートフォンの
アップデートからヒントを得ていて、
電気だけで車をコントロールできる
ＥＶならではのメリットだと思います。

またアップグレードといえば、
先日、車業界向けの日刊紙に、
トヨタの話題が載っていて・・

それが、
テスラのように車載コンピューターを
外部通信でアップデートして
機能や性能を新しくするのではなく、
車の構造自体を変えてしまう方法です。

具体的には
車のハンドル位置を右側から左側へと
後で簡単に改造できるよう、
あらかじめ車両を設計しておいて、
改造しやすい状態にした車を生産する
という方法です。

『アップグレードレディ設計』
と呼ばれるこの方法の目的は、
世界的に左ハンドルの国が圧倒的に多いため、

右ハンドル車から左ハンドル車に
後から簡単に改造できれば、
今度その車が中古車となった時には
左ハンドルの国々にも
流通させることができるからです。

ちなみに、
現状はどうなってるのかというと・・
１台ごとの車を現物合わせで加工しながら
左ハンドル車に改造しているんですが・・
この方法だと手間と時間が掛かり過ぎて、
人件費の高い国では採算が取れないため、

例えば日本の中古車（右ハンドル）は、
いったん人件費（と関税）の低い国に運ばれ、
そこで左ハンドル車に改造された中古車が、
世界各国に流通しているんですね〜

日本で左ハンドル車への改造が
積極的に行われていないのは、
そうした背景もあります。

その点からトヨタの取り組みを見ると、
左ハンドル車への改造が今より簡単になって、
日本国内で行っても採算が取れるようになれば、
それが新たな産業になる可能性もあります。

ただ、、左ハンドル車への改造が、
あまりにも簡単になり過ぎると今度は、
日本の中古車の需要が海外にまで高まり、
それと同時に中古車の相場が、
今よりも高くなってしまうんじゃないかと・・

関谷はやと

 
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