N−BOXのエピソード
昨年1年間を通じて
普通車・軽自動車を含め日本国内で
最も売れた新車は一体どの車かというと?
ホンダの軽ワゴン車『NーBOX』で、
何と20万2197台も売れたそうです(驚)
そのN−BOXが初めて登場したのは、
今から12年前の2011年で、
ちょうど、この年の3月には、
東日本大震災が発生してしています・・
ちなみにN−BOXに限らず
新型車が発表されるまでには、
構想や開発段階の期間も含めると、
そこからさらに2〜3年前まで
さかのぼるのが一般的です。
ところで車業界向けの日刊紙に、
当時ホンダでN−BOXの
開発責任者をしていた方が、
その頃の様子を語っている記事を見つけ、
そこにN−BOXを筆頭に
『N(エヌ)シリーズ』と呼ばれる
軽自動車のラインナップが、
どんな経緯で誕生したのか?
について興味深い話をされていたので
今回紹介したいと思います。
普通車から軽自動車を含めて
ホンダで数々の新型車を
世に送り出してきたこの方は、
新しい軽自動車の開発を命じられたものの、
当時のホンダは他社のヒット商品に押され、
販売に苦戦している状況だったそうです。
そんな中、この方は、
開発コンセプトを明確にするため、
まずホンダというブランドのイメージを
改めて見直すことから始めたんですね。
そこで登場するのが、
『クリエイティブ・ディレクター』とか
『ブランドデザイナー』と呼ばれる、
ブランドを作り上げる専門家です。
というのも、商品の売れ行きって、
ブランドイメージひとつで大きく変わるため、
たとえホンダのように世界的な企業でも、
専門家に相談するケースがあるんですね。
余談ですが、自動車のように
市場(マーケット)が大きければ大きい程、
こうした専門家に依頼する際の費用も
当然ながら高額になります。
話を戻します・・
ホンダが開発責任者を中心に、
市場調査結果や現在の会社の状況を
専門家に伝えてから数日後、いよいよ
初の打ち合わせを行うことになりました。
数々のブランドや商品をヒットさせ、
日本でも超有名な専門家との打ち合わせの場で、
この専門家が提案した開発コンセプトは、
『N(エヌ)』と手書きされた
A4サイズの用紙たった一枚のみ・・
この時、
あまりの簡潔さに拍子抜けしたのか、
ホンダの開発責任者の方は思わず、
『この用紙1枚だけであれだけの(高額な)
費用とは、いい商売ですね(笑)』
と専門家に向けて言ったそうです。
(もちろん和やかな雰囲気の場でですよ)
ところで『N』の結果は?というと、
最初にお話しした通り12年経った今でも、
N−BOXは売れ続けています。
関谷はやと
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