ある日の株価情報を見て、ふと・・　

From：関谷はやと

アカイ、ティアック、サンスイ、

パイオニア、オンキヨー

ちなみにこれは、
全てオーディオメーカーの名前です。

オーディオファンの人にしてみれば、
『おおっ〜懐かしいブランドばかりじゃないか』
なんて思ったかも知れませんね〜

ところが、実はこれらの企業は全て、
過去に、ある『共通した出来事』が、
起きていたんですよ。

その出来事についてお話しする前に、、
少し説明をすると・・

新聞などを読んでいると、、
経済ニュースの次のページあたりに、
株式市場で取引されている、
上場企業の株価情報が掲載されていて、
見たことがある人も
多いんじゃないかと思います。

ちなみに、
上場企業数の最も多い『東証一部』には、
いま現在で、なんと約２２００社もあるので、
知りたい企業の株価を見つけやすくするため、
業種別に分類されています。

ところが、その分類の一番最後に、
『監理ポスト（かんり）』とか
『整理ポスト』という表示があって、
常に数社程度の株価が載っているんですが、

ここは、様々な理由から、
上場基準に満たなくなった企業を
周知する目的で設けられた欄なんです。

そして、
最初に挙げたオーディオメーカーは全て、
過去に株式市場に上場していたものの、

債務超過や倒産、買収や合併によって、
その名前が株価欄から消えていった企業
だったんです・・

その理由の一つと挙げられるのが、、
それまで個人や家庭向けの
オーディオ機器を作っていたんですけど、

アップルの『ｉｐｏｄ』のような、
通信機能付きの
『ポータブル音楽プレーヤー』が
登場したことで、
音楽ソフトが急速にデジタル化へシフトし、

それとともに人々が、
音楽を持ち歩くようになったことで、

従来のすえ置き型オーディオ機器は、
販売数が減少し、
それにより業績も急激に落ち込んでしまい、
上場を維持できなくなったんです。

まあ時代の流れといってしまえば、
それまでなんですけど・・

ところが、、
同じオーディオ関連のメーカーでも、
『ＴＤＫ』という会社は、

オーディオ本体を作らず、
カセットテープやＣＤのほか、
磁気ヘッドや半導体製品のような、
オーディオ内部や周辺に使われている
部品や装置だけしか作ってなかったのに、

それまで培ってきた『技術』を、
オーディオとは異なる分野に活かすことで、

これまでのように、
すえ置き型のオーディオ機器が売れず、
その代わりに、パソコンのような
デジタル機器が急増していることが分かると、

そのデジタル機器に対応できるよう、
自社製品の仕様やサイズを改良したり、

さらにはオーディオ以外の分野でも、
自社製品の用途を見出したことで

オーディオメーカー不振の影響を
最小限にとどめたんですね〜

そして今では株式市場の中でも
優良な銘柄の一つとして挙げられるまでに。

もしＴＤＫが、
自社の製品を納入している
オーディオメーカーに頼り切っていたら、

家庭向けオーディオの販売数が
落ち込んでいくのとともに、ＴＤＫも
共倒れになっていたかも知れません。

でも逆にいえば、
オーディオ不振があったからこそ、
良い意味での開き直りが出来たとも・・

自社の持つ特徴や強みを
オーディオという特定の製品にこだわらず、
様々な分野に活かそうとしたのは、
実に見事な経営手腕だと思います。

関谷はやと

 
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