水素エンジンの実現を支えたのは・・　

From：関谷はやと

エンジンの燃料に水素を使った車で、
レースに出場したトヨタが、
先日開催された２４時間耐久レースで、
見事完走しました。

ちなみに、
水素だけでレースに出場したというのは、
世界初なんだそうです・・（驚）

ところで、この最近、
車に関する話題に『水素』という物質が、
よく取り上げられるようになったんですが・・

そもそも、何で水素なのか？
水素の何がそんなに注目されているのか？
についてお話しすると、、

例えば、
今回のトヨタのようにエンジンの燃料を
ガソリンじゃなく水素にすることで、
燃料がエンジン内部で燃焼するとき、
二酸化炭素（ＣＯ２）が発生しないんですね。

というのも,

ガソリンの成分（ＣＨ）には、
炭素（Ｃ）が含まれているため、

燃焼する際に、
空気中の酸素（Ｏ）と結びついた結果、
水（Ｈ２Ｏ）と二酸化炭素（ＣＯ２）が、
排出されます。

ところが水素燃料（Ｈ）には、
炭素が含まれてないため、
エンジンから排出されるのは
水だけとなります。

まあ、細かく言えば
空気中のＣＯ２があるじゃないか、
となりますが・・

この場合、エンジンから排出される
ＣＯ２が増える訳じゃないので、
実質ゼロという認識です。

そんな訳で、
ＣＯ２の排出量を抑える車は、
電気（ＥＶ）ばかりじゃなく、
水素エンジンもあるぞ！というのが、
今回のトヨタの狙いだったんですね〜

ところで、、
トヨタが水素エンジンの車で
レースに出場したのが『世界初』なんて聞くと、

水素エンジンそのものが、
世界初なのかと思ってしまいそうですが・・

実は水素エンジンって、
過去に色んなメーカーが試していて、

代表的なのが、
先日お話ししたドイツのＢＭＷが、
今から４０年以上も前に、
水素（とガソリンを併用した）エンジンを
搭載した車を作ってたんですよ（驚）

しかも、その理由は現在と全く同じで、
ＣＯ２の排出量を削減するためです。

ただアイデアは良かったんですけど、

当時は水素タンクに関する技術が
まだ未熟だったため、
たくさんの水素を搭載することができず、

１回の水素充填で
走行できる距離もわずかで、
実用レベルにまで届かなかったんです・・

その課題をクリアしたのがトヨタで、
当時ＢＭＷが作った水素タンクと比べて、
約１００倍の水素充填を可能とする
水素タンクを作ることに成功したんですね。

そうやって考えていくと、
ＣＯ２排出量を削減する車、
イコール電動化だけのように簡単な図式で
収まる話ではないことが分かります。

関谷はやと

　
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