スエズ運河の座礁事故から保険の話（その１）　

From：関谷はやと

ニュースを見て
知っている人もいるかも知れませんが・・

先月、強風による座礁（ざしょう）のため、
エジプトにあるスエズ運河を
１週間近くにも渡り通行止めにした
貨物船のニュースがありましよね。

ちなみに、
座礁した貨物船なんですけど、
実は僕が住んでいる愛媛県にある
海運会社所有の船だったんです（驚）

まあ、現地での復旧作業が、
スムーズに進んだこともあって、
１週間ほどで運行再開できしましたが・・

ところが！

その後のニュースによると、
この１週間通行止めにしたことで、

スエズ運河を管理しているところから、
損害賠償を請求されているそうで・・

その額なんと１０００億円！？（恐）
あまりにも途方すぎてピンときませんよね。

その件もあって、座礁した貨物船は、
現在差し押さえられているんだとか・・

ただ、こういった貨物船は、
座礁や遭難といったリスクに備えて、
たいていの場合、保険を掛けているんですよ。

なので、
損害賠償されたからといっても、
実際に賠償金を支払うのは、
保険を引き受けていた保険会社となります。

話は変わりますが・・

こういった保険の仕組みとか、
必要性を理解してもらうために、

よく引き合いに出されるのが、
シェイクスピアによって描かれた
『ヴェニスの商人』という有名な物語です。

時代は１６世紀の終わり、
ちょうど中世に差し掛かろうとしていた頃、

貿易商を営むアントニオは、
友人から結婚資金を貸して欲しいと
頼まれましたが、あいにく自分の財産は、
航海中の貨物船の上・・

そこで、
船が到着するまでの間のつなぎとして、
貸金業を営むシャイロックという人物から
お金を借りることに・・

その際シャイロックから、

もし返せなかった時の担保として、
『自分の胸の肉1ポンドを差し出す』（恐）
という条件を出されたんですけど、

まあ、
貿易商を営むアントニオにとっては、
船さえ到着すれば、お金が得られること自体、
ごく日常のことだったので、

すぐにお金が必要だったアントニオは、
あっさりと約束してしまったんですね〜

ところが！この時に限って、

到着するはずの船が途中強風によって、
遭難したかもしれない・・という知らせが入り、

お金を得られる目途がつかないまま、
とうとう借金返済の期日を迎えてしまい・・

例の『自分の胸の肉１ポンドを・・』
という約束をめぐって、
シャイロックから訴えられてしまうんです！

その後のストーリーは本編に任せるとして・・

そこで保険会社が、
保険の仕組みを伝えるため、
よく引き合いに出しているのは、

『もしシェイクスピアのいた時代に、
損害保険があったなら、
ヴェニスの商人という名作は
生まれてこなかっただろう・・』

という例え話なんですね〜

（長くなりましたが、これホントの話です）

関谷はやと

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