EVを売りたいけど・・
From:関谷はやと
今年の3月11日は、
東日本大震災が発生してから、
ちょうど10年目となることもあって、
車関連の話題の中にも、
防災や実際に災害に遭った時、
どんな車の使い方ができるか、
という内容が目立っていました。
その中で最も関心を集めていたのは、
やはり、災害時の停電に備えて
EV(電気自動車)のバッテリーを
家庭用の電源としてどの程度使えるか・・
という話題です。
ちなみに、現在販売されている、
国内メーカーのEVに搭載されている
バッテリー容量は3〜40kwh前後と、
まあ数字を示されてもピンと来ませんが・・
これは一般的な家庭で使用する電気の
およそ2〜3日分だと言われています。
なので、
EVを保有している家庭が、
常にフル充電した状態で車庫にあれば、
もし災害や何かで停電になっても、
EVのバッテリーに蓄えた電気を使いながら、
2〜3日はごく普通に過ごすことができる、
という感じです。
これって、
走るのには直接関係ないですけど、
販売する際にはアピールとなり、
買う人にとっても大きなメリットや
安心感となるので、
自動車メーカーにしても、
災害時には、より役に立つEVを、
もっと多くの人に買ってもらいたい、
そんな気持ちがあるはずです。
ところが、
このメリットばかりを求めて、
今のエンジン車と同じボリュームで
EVが売れ続けていくと・・
電気そのものに対する需要というか、
電気を蓄えるための
新たな容れ物が世の中に一つ、
しかも大きく増えることとなり、
その結果、世の中全体で見た
電気の需要と供給のバランスが、
今と大きく変わってしまう恐れがあります。
すると、
発電所が毎日フル発電しても、
普段から電気の供給が間に合ってない、
なんて事態も起き兼ねません・・
つまり日本の場合は、、
EVの売れるペースが早すぎると、
いま国内で発電されている電気が
不足してしまうかも知れないので、
それを考えると、
国内の自動車メーカーも、
自社製品のラインアップを安易に
EVへとシフトする訳には行かない・・
何とも悩ましい状態なんです。
なので僕は、色んなメディアから
『海外と比べて日本はEVの割合が少ない』
なんて話を耳にするケースがあっても、
それは、
日本には日本の電気事情があるから、
という前提で聞くようにしています。
関谷はやと
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