けもの道 

From:関谷はやと

この最近、
バラエティー番組でよく見るのが、
タレントさん数人が道なき道を歩きながら
人里離れたような場所にある
家やお店や施設を目指すという、
いわゆる
『なんちゃって秘境モノ』の企画です。

ちなみにですが、
僕みたいな地方に住んでる者にとっては、
番組に登場するような場所なんて、
ちょっと郊外に出れば行けるので、
そんなに珍しいと思わないんですけど・・

まあ、都会暮らしの人たちにしてみれば、
何を目にしても、
意外性の集まりみたいに映るので、
そこがウケてるんでしょうね〜

ところで、
つい先日も、ある番組の中で、
タレントさんのグループが山中の
『けもの道』をワイワイしゃべりながら
歩いてるシーンがあったんです。

でもあれ、当人たちは、
番組を盛り上げるために
意図的にやってるんでしょうけど、

もし番組を見てた誰かが真似をして、
集団で『けもの道』を歩いてしまうと、

そこに住んでいる野生動物たちには、
何とも迷惑な話なんですよね・・

というのも、
野生動物にとっての『けもの道』は、
人間の世界でいう生活道路そのもので、
自分たちの生活圏が保たれているからこそ、
人里に降りてくることをしないんですよね。

ところが、
『けもの道』を歩くことによって、
人の通った匂いが残ってしまうと、

野生動物は、
今いる場所が危険だと判断してしまい、
安全な場所を求めようとして、
時には人里に迷い込んでしまうんです・・

ちょっと話は変わります、

実はこれと同じ視点にあるのが、
山の中を走る高速道路に設置された
『動物専用の高架橋』で、
『アニマルパスウェイ』などと呼ばれています。

高速道路トレビアで、
知っている人もいるかと思いますが、

高架橋の中でも、
明らかに人が通れる仕様じゃない
幅が狭く壁の低いタイプのものや、
道路の上空にケーブル状のものを
横断させてるのがそうです。

また中には、
大型の野生動物用なのか、
道路の地下にトンネルを設置して
そこから横断できるようにしてる
道路もあるそうです。

たしかに、
クマやイノシシ、鹿といった
大型の野生動物にぶつかってしまうと、
車に乗ってる方も危険ですからね〜

今風にいえば、野生動物との
ソーシャル・ディスタンスを取るために、
様々な配慮をしてるからこそ、
代々、動物との共存が成立し、
結果として
僕たちの安全も保たれてる訳なので、

いくらバラエティー番組とはいえ、
『けもの道』一つとっても、
これ以上立ち入っちゃいけない・・
くらいの節度は持って
番組を制作して欲しいなあと思います。

関谷はやと

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