大事なところで、いつも・・その1 

From:関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

『あれ〜、アカンや〜ん・・』

これは、

僕が高校2年生の時に受けた資格試験、

『電気工事士試験』の技能試験直後の一言です・・

結果はもちろん『不合格』でした。

ちなみに、

技能試験の内容はどんなのかというと・・

と、その前に、そもそも『電気工事士』って何ぞや?

から説明します。

家庭やビルなど、
建物の中に張り巡らされた電線って、

あれは適当に電線を引いているんじゃなく、

エアコン・照明・そのほかの機器を
作動させるために必要な『消費電力』に応じて、

配線の大きさなどを決めています。

電気自体は目に見えないんで、

もし配線の仕方を間違えても、

実際に電気を流してみないと、
分かりにくい部分があります。

でも、毎回そんなことをやっていたら、

間違っていたときなんか、
配線がショートして焼けてしまいます・・

これは大事(おおごと)です!

いわゆる『電気火災』というやつです。

そういったことがないように、

屋内配線工事をする人が、
国が定めた一定の知識と技能を持っているか?

それを見るために、
『電気工事士』という国家資格があるんです。

『電気工事士』の資格に関わらず、

たいていの『資格試験』というのは、

まずその分野の知識が備わっているかを見る、

『筆記試験』があって、

その試験に合格して初めて、
『技能試験』や『実技試験』が受けられます。

さっきも話しましたが、、

僕は松山市内の工業高校に通っていました。

しかも『電気』が専門の『電気科』です。

というわけで、まあ筆記試験は・・

一般の方、

つまり電気工事の仕事をしながら、

資格試験の勉強をしている方々に比べれば、

じっくり勉強できる『時間と環境』がありました。

このあたりは学生さんの強みですね・・

もちろん筆記試験は一回の試験でクリアでした!

ただ、いま思い出してみても、

自分自身が働くようになって初めて、

『勉強するための時間がある』ってとは、

どれだけ恵まれた環境であるか、

というのを痛感しますね・・

みごと筆記試験に合格したら、

次は『技能試験』の勉強です。

『電気工事士』の技能試験というのは、

実際に配線やコンセント・スイッチなどを、

出題された配線図にしたがって、

加工していく試験です・・

ちなみに、試験時間は40分です(H29年現在)

このメルマガで何度もお話ししていると思いますが、

三栄自動車は、僕の父親が創業者なので、

僕にとってみたら、
いわゆる『家業』にあたります・・

当然、子供の頃から『工具』や『配線(電線)』は、

おもちゃ代わりに遊んでいました。

自動車と家の設備だと、

部品の形や配線の大きさは違いますが、

それでも基本は同じ『電気もの』です・・

当然『楽勝やろ!』と思いますよね。

実際に僕もそう思っていました・・(笑)

なので、

技能試験の『練習』というか『訓練』があっても、

加工だけは、そこそこ出来ていました。

そんな余裕で迎えた『技能試験』当日、、

試験会場は、僕が毎日通っている工業高校です。

しかも教室を使って行われるので、

僕にとっては完全な『ホームゲーム』です。

教室に入ってみると、

僕に割り当てられた机は一番前でした。

しかし!!

これが悲劇の始まりになろうとは・・

技能試験では、
配線図と一緒に未加工の部品が入った、
パッケージを渡されます。

試験官の、

『では、始めて下さい!』の声で、

一斉にスタートします。

そこで配線図が描かれた問題用紙をめくります。

そして、部品が全部そろっているか、

確認のため、事前にパッケージから出しておいた、

電線やスイッチ・コンセントといった、
本物の部品とにらめっこです・・

ここで、僕は今までの練習で、

もっとも重要な『練習』を
やっていないことに気づきました。

なんと!?

問題の配線図を、
実際に部品を加工した配線図に置き換えるという、

『もっとも基本的な練習』をサボっていたんです・・

屋内配線にしても、車の配線にしても、

『配線図』というのは、
可能な限り簡略化しています。

具体的にどういう事かというと、

あなたも知っているように、

電気というのは、

『プラス』の配線からスタートして、
スイッチを通過して、

その後、エアコンや照明器具といった、
電気機器を通過して、

最後に『マイナス』の配線へと流れていきます。

つまり電気配線は『プラスとマイナス』

旅行だと『行と帰り』

箱根駅伝だと『往路と復路』

といった具合に、

それぞれに配線しているので、

合計では2本線になりますよね。

それが、

実際の現場で使っている配線図って、

プラスとマイナスを一つにした、

『1本線』なんです・・

これは、配線を書く手間を省くのと同時に、

シンプルで見やすくしているからなんですね〜

これを理解するのが、

さっき言った『一定の知識』なんです。

1本線を2本線に書き起こそうとしますが、、

普段から練習してなかったため、

相当な時間を取られました・・

しかも、僕は一番前の机にいますので、

ほかの受験者のペースも分かりづらく、

かろうじて見えた隣の受験者の人・・

この人が、たまたま、

僕のような学生じゃなく、

実際に仕事で電気工事をやってる人だったんです・・
(雰囲気から察するに間違いなく)

場数を踏んでいる人って強いんです!

僕らみたいに、

加工用の配線図に書き起こさなくても、

一目見れば頭の中で『配線図』がイメージでき、

おまけに、

部品を見ただけで『完成品』のイメージも出来ています・・

たぶん、、『あっという間』に、
加工が終わったんだろうと思います。

僕がチラッとその人を見た時、

『余裕!楽勝!の腕組み』をしていて、

制限時間の40分を待たず、

試験開始後○○分以降は退出可能ですよ、

という拘束時間が来るのを待っていました・・

『そんな姿、見なきゃいいのに・・』

僕にとって、その姿が、

ますますプレッシャーとなって、

あえなく制限時間いっぱい・・

『技能試験』は、

未完成のまま終了してしまいました・・

その日以降、、

僕は『いろんな場面』において、

『初回のプレッシャー』と、

戦いを続けることになるんです・・

『いろんな場面』のことは、

また次回以降、、このメルマガでお話しします。

関谷はやと

PS.『電気工事士』の試験ですが、
もちろん、その翌年には、
ちゃんと合格しましたよ。(笑)

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