邪道（じゃどう）
From：関谷はやと
今日のメルマガのタイトルですが、
日常会話の中で、
『間違っちゃいないけど、
それって、ちょっとやり方がね〜』
みたいな場面で使われてる言葉ですよね。
しかし、、あらためて
『邪道』という言葉だけを見ると、
影で何かメチャクチャ悪いことを
やってるような気がするのは、
僕だけでしょうか・・（笑）
そこで『邪道（じゃどう）』という言葉を
調べてみたら、
もともと仏教で使われてた用語らしく、
邪（じゃ）を一言で表すと、
『よこしま』と読むそうです・・
かといって英語に直したら、
『ボーダー』となる訳じゃなく・・（苦笑）
意味としては、
正しい道から外れた考えや方法で、
他者を貶（おとしめ）めようとするもの、
なんだそうです・・
ちなみに、
普段僕たちが『邪道』と表現する場合は、
この意味の前半部分だけを切り取って、
（本来の）『正しいやり方から外れてるぞ！』
という場面で使うのが一般的です。
なので、
会話の中の前置きや締めとして、
『あの方法は邪道だ！』とか、
『ちょっと邪道かも知れませんが・・』
みたいに使われてるんですね〜
ところで、、この邪道という言葉、
実は車の修理の場面でもよく使われていて、
例えば、車の金属部品に、
ネジを差し込む箇所があったとして、
その周辺に亀裂（ヒビ）が入って割れてたとか、
そんな場合、
実際に日本で行われているのは、
割れた箇所（金属）に熱を加えて、
そこに溶剤を流し込んで修復する
『溶接』という方法です。
その一方で、特にアメリカなどは、
同じ部品を修理するにも、溶接せず
粉末状にした金属を樹脂の中に練り込んだような、
パテ状の『補修材』を使って修理します。
これって僕が思うに、
『壊れない車を造ろう』と考える日本人と、
『壊れたらその時修理すればいい』という、
アメリカ的な考え方との違い、
つまりそれぞれの民族性が、
そのまま修理方法の違いとなって表れたものだと。
ところが、
修理に関する情報の量やスピードが、
現在ほどでもなかった時代は、
お互いのやり方を認めようとせず、
『その方法は邪道だ！』と言い合ってたんです（笑）
ただ実際には、
それぞれに長所と短所があるのが当然で、
言い合ってる場合じゃないんです！
というのも、、
日本のように溶接で修理する方法は、
より原材料に近い溶剤を使うため、
当然、元の状態に近い形で
仕上げることができます。
ただ、、溶接という作業自体が、
比較的難易度の高い方法なので、
技術を習得するために時間がかかる、
という問題があります。
その点、アメリカ流の方法なら、
仕上がり具合は溶接ほどじゃなくても、
『補修材』さえ手元にあれば誰でも、
比較的簡単に修理することができます。
しかし、、部品の材料自体が
別の金属に変わってしまうと、
さっきと同じ補修材は使えなくなります。
となると、新しい補修材を
誰かが開発してくれるのを待つしかなく、
これはこれで問題ですよね・・
そして現在は？というと、
日本でも溶接修理などせず、
部品全体を取り換えてしまうか、
補修材を使ったアメリカ式のいわゆる
『邪道な』修理方法が主流となっています。
つまり、
今まで『邪道だ』と言ってたことが、
その反対の『正道（せいどう）』
となった訳です。
理由の１つに挙げられるのが、
車や部品の品質が高まり壊れにくくなったため、
技術習得するにも修理する機会そのものが、
ほとんど無くなったことが考えれられます。
だったら、、
最初から認め合ってればよかったのに・・
なので、
こと車の修理に関して言えば、
別のやり方を受け入れようとせず、
『邪道だ』と言ってること自体が、
そもそも邪道なわけで・・（笑）
『修理できた』という結果が得られるなら、
それでＯＫなんです！
ただ、そこに安全や品質が必要なのは、
言うまでもありませんが・・
関谷はやと
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