セリカ
From:関谷はやと
インターネットの車関連サイトに、
1970〜2006年まで販売され、
トヨタのクーペモデルの基本形とも呼ばれた
『セリカ』というモデルが復活するかも・・
みたいな噂が流れているとの話題がありました。
昔から
『火のない所に煙は立たぬ』
などとよく言われますが、、
噂の発端となったのは、
先日開催されたモータースポーツのイベントで
トヨタの豊田章男社長がトークショーの中で
『セリカに対する思い入れはありますか?』
という質問に対して
『そりゃありますよ〜中略〜
もう一回欲しいなっていう感じがしますよね』
とコメントしたことに加えて、
この4月から新たに
トヨタの社長に就任する佐藤恒治氏が
SNSで『人生の夢はセリカの復活』
と投稿したことも話題となっていたからです・・
ところで、
今回の話題となったセリカは、
ちょうど僕がトヨタにいた頃に
手掛けていたモデルで、日本車として
初のWRCタイトルを獲得した車です。
(WRC:世界ラリー選手権)
ちなみに当時のトヨタの市販車は、
ラリー競技向けのセリカだけじゃなく、
サーキット向けモデルも作っていて、
競技参加への認定基準となっている
生産台数500台を満たすために、
市販車の生産ラインで
ベース車両を作っていたんですよ。
そのため、
僕がいたボディー工場には時々、
モータースポーツ部門の担当者がやって来て、
『この金具を付けてくれないかなあ』
みたいな打ち合わせをやってました。
ところが市販車の生産ラインって、
コンピューターによる生産管理で
1台の車を分秒刻みで作っているため、
(ちなみにセリカのラインでは1日あたり
昼と夜で約800〜1000台でした)
ちょっとした金具を溶接するだけでも、
何秒必要なのか確定させておかないと、
生産台数に影響が及んでしまうんですね。
すると生産ラインが止まる、
昼と夜の交代時間の合間を利用して
事前に溶接のテストをするしかなく・・
それが僕たち
市販車を作っている側にとっては、
テスト→手間→残業を意味するので、
モータースポーツ部門に対して当時は、
『これ以上、残業を増やさないでくれよ〜』
みたいな感情があったのは事実です。
その意味で僕にとってのセリカは、
トヨタの経営者のような
『良い思い入れ』ばかりじゃありません(笑)
関谷はやと
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