今回コンセプトは電池　

From：関谷はやと

前回に続いてバッテリーの話題です。
つい先日、日産から
『マックスアウト』と呼ばれるＥＶの
コンセプトカーが発表されたんですが、

興味深いのは、
僕たちがイメージしている
コンセプトカーとは、かなり異なる
注目すべきポイントがあって・・

それは車の外観スタイルなどではなく、
なんと搭載されている電池（バッテリー）が
今回のコンセプトだったんですね〜

じゃあ日産は一体何の目的があって
電池だけをコンセプトに
車まで作ったのかというと・・

それは、
『全固体電池（ぜんこたいでんち）』
と呼ばれる最先端の電池を
公開できるまでに自社の研究開発が
進んでいることを示すためです。

では全固体電池の何がすごいのか？
その特徴を従来の電池と比べてみると、
電池の容量の決め手となる
『エネルギー密度』が約２倍もあるため、
現在のＥＶと同じ大きさの電池で
航続距離を２倍に伸ばすことができます。

逆にいうと、
従来型と同じ容量の電池であれば
単純に半分の重さ大きさで済みます。

しかも充放電特性に優れているため
充電時間も大幅に短縮できるそうです・・

また現在のＥＶで主流となっている
『リチウムイオン電池』には
電池内部に『電解液』と呼ばれる
液体が入ってるんですが、

ただ、リチウムや電解液の性質上、
一定以上の高温になったり水に反応すると、
発火してしまう性質があるため、

例えば、
交通事故などで強い衝撃を受けると
電池の内部がショートにより発火して、
車両火災の原因にもなります。

ここで厄介なのは、
車両火災だからといって
水をかけて消火しようとすると、
損傷を受けた電池から漏れた電解液が
水と反応して発火し、
さらに火の手が大きくなる、
という危険性があります・・

その反面、全固体電池は文字通り、
全ての材質が固体で構成されているので、
こうした危険性はありません。

しかも材料は比較的安価に済むそうで・・
となると今より高性能で安全で安い電池が
使えるようになりますよね。

ところが全固体電池には、とにかく
高い加工技術と精度が要求されるため、
現時点では、
まだ実用化レベルに至っていない状況です。

そうした背景から、
日産は『電池』というコンセプトで
車を作ったんですね。

関谷はやと

 
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