投資する理由は? 

From:関谷はやと


車業界向けの日刊紙に、
日本の軽自動車メーカー、スズキが
『牛ふん』を使用したバイオガスを燃料にして
電力発電を手掛けている企業に出資した、
という記事がありました。

ちなみに『牛ふん(ぎゅうふん)』とは、
牧場などで飼われている牛の排せつ物のことで、
発酵させたものが農作物の肥料として
使われていますが、牛ふんは発酵する際に、
火を付ければ燃える『メタンガス』を
発生することも知られています。

すると、
発生したメタンガスを燃焼させて、
発電用のタービンを回すことができれば、
電気が利用できるじゃないか!?
と考える人(企業)が現れて当然ですよね。

ただ、牛ふんを集めて発酵させたものから
メタンガスを取り出し、それを燃焼させて
ようやく発電用タービンを動かすことができる・・
というように、発電までのプロセスが、
従来の発電方法と比べるとあまりにも
手間と時間、つまりコストがかかるため、
有力な出資元が必要なんですよね。

じゃあ何で電力会社じゃなく、
自動車メーカーで、しかもスズキなのか?

いつもこのメルマガを読んでくれている
あなたなら気付いたんじゃないかと思いますが・・

まずスズキって、インドでの市場シェアが、
日本のトヨタ並みに大きいんですよね。
そしてインドといえば宗教はヒンドゥー教で、
ヒンドゥー教では『牛』は神様の乗り物として
崇拝、神聖視されていることもあり、
牛=インドからスズキへとつながるんですね。

そこに、今後の成長が見込まれている
EVの動力源として『電気』が必要となれば、
『牛ふんからバイオマス発電』という事業に
スズキが投資したのも
なるほどな〜と思える訳です。

まあ牛ふんのバイオマス発電だけで
インドの電力需要が満たせるとは思えませんが、

それでも牛ふんを燃料に発電しても
理論上ではCO2(二酸化炭素)を
発生しないことになるので脱炭素となり、
スズキにとっても
販売台数に応じたCO2排出削減量を
手に入れることができるので、
皆にとって良い結果につながります。

そう考えてスズキは、
牛ふんバイオマス発電事業に投資していく
価値があると判断したんでしょうね。

関谷はやと
 
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