1/4000の不具合を見つける方法
先日このメルマガで、
車の生産ラインでボディーを作る工程で、
ボディーの構成部位ごとに型取った
鉄板のパネルを重ね合わせて溶接する
『スポット溶接』についてお話ししました。
ちなみにスポット溶接というのは、
鉄板(パネル)をコピー用紙に見立てて、
それを2枚とか3枚重ねたところを
ホッチキスで止めるのに近いイメージです。
実際には重ね合わせたパネルの
一番上(表面)と一番下(ウラ面)を
『溶接チップ』と呼ばれる電極を使って
強力に挟んでおき、そこに大電流を流すことで
挟んだ部分だけを溶かして接合する仕組みです。
その際、パネルを挟んで溶接した部分が、
直径6ミリほどの点状になることから、
『スポット(点)溶接』と呼んでいるんですね。
またスポット溶接のメリットは、
複数枚のパネルを重ねて一度に接合できるので、
薄いパネルでもボディーの強度が確保できます。
ところが、当然ながらデメリットもあって・・
それは乗用車のボディー1台につき、
4000点以上もスポット溶接するため、
スポット溶接機器の調子によって、ごくまれに
パネルを挟む力が瞬間的に足りなかったり、
大電流を流すタイミングがコンマ何秒かズレて、
パネル同士が接合しない時があるんです。
逆にいうと、
それらのタイミングがピッタリと揃わないと、
スポット溶接はできないんですね。
すると、
接合されなかったパネル同士の間には
紙一枚の厚さも無い程の、わずかな隙間ができ、
その状態のままで車が完成してしまうと、
カーブを曲がる際のボディーのねじれや、
エンジンや路面から受ける振動によって、
ギシギシとかビリビリといった異音
(不具合)が発生する原因になります。
これを『スポットはがれ』とか
『剥離(はくり)』と呼んでいますが、
そうなった個所を
4000点ものスポット溶接した中から
特定していくのは至難の業ですし、
もし仮に特定できたとしても、
その個所を手直しするためには、
エンジンやシート、内装材を取り外して、
ボディーを塗装前の状態にする必要があるので、
途方もない手間と費用が掛かります。
なのでボディー工程には、
『(剥離)ハクリチェック』という検査があって、
完成したボディーを抜き打ちでラインから外し、
スポット溶接した個所に容赦なく、
タガネという工具をハンマーで打ち込んで、
正しく接合できているかどうか?
チェックしているんですよ。
もちろん、
すべての箇所を検査できる訳じゃないので
剥離しやすい部分を特定しています。
ちなみにこの方法は、
僕がトヨタにいた35年ほど前の話なので、
さすがに今はレーダー探知機みたいなもので、
ハクリチェックをしていると思いますが・・
関谷はやと
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