『考えるな、感じろ!』的なビジネス(続き) 

From:関谷はやと


前回のメルマガで、
アクション俳優、武術家として超有名な
ブルース・リー氏が映画のワンシーンで、
戦いに勝つために必要なマインドとして発した
『考えるな、感じろ!』というフレーズが、

実はビジネスの世界にも通じていて、
その例として、
エンジン車の出力向上には欠かせない
『ターボ』という装置を作っている
日本の三菱重工やIHIが、
EVの普及とともに需要が減ることを見越して、

同じEVでも、水素を燃料に
空気(酸素)と反応させて発電する、
FCV(燃料電池車)に応用できないか?
と思い付いたところまでをお話ししました。

ちなみにターボという装置は、
エンジンから出る排気ガスの勢いを利用して、
タービン(コンプレッサー)を超高速で回転させ
エンジンに圧縮した空気を吸い込ませて、
より強力な爆発力を得ることで
エンジン出力を向上させる装置です。

なので、空気を必要とするFCVなら、
ターボが応用できるんじゃないか?
と思い付いたまでは良かったんですけど・・

ただFCVにはエンジンが無いため、
肝心な排気ガスの勢いが得られないので、
これまでのターボにこだわっていては、
使えないことは明白です。

そこでエンジニアたちは、
FCVは電気で動いてるんだから、
その電気を使ってモーターを回せば、
排気ガスの代わりになるじゃないか!?
と考えました。

ところが、、
エンジン車のターボというのは、
1分間に10万回転以上という、
これまでの電気モーターでは実用化されていない、
超高速回転なため、従来型の回転軸受け
(金属製ベアリング)では、
対応しきれないことが分かりました。

ここで『考えるな、感じろ!』という、
あのフレーズが活きてくるんですね〜

ブルース・リー氏の言葉どおり、
単に考えるだけのエンジニアであれば、
大きさや材質を変えることで、
超高速回転に耐えるベアリングを
何とかして作ろうとしたはずですが・・

でも『感じる』ことのできるエンジニア、
つまり、たとえ実用化されていなくても、
目の前の課題に対して、
明確な解決イメージが持てるエンジニアなら、
最適なアイデアが浮かんでくるんですね。

その結果、
三菱重工とIHIの両エンジニアともが、
圧縮空気を使って回転軸を宙に浮かせる
『空気ベアリング』の採用を思いつきました。

ちなみに、この原理を利用したのが、
パイプを勢いよく吹いてボールを浮かせる
『吹上パイプ』と呼ばれるおもちゃで、

また空気ベアリング自体も、
すでに他の製品に使われてはいますが・・

ただ、ターボに応用したエンジニアたちが、
自分が子供の頃に遊んだおもちゃから、
空気ベアリングを思い付いたとすれば、

まさに『考えるな、感じろ!』のマインドで、
目の前の課題を解決した例じゃないかと(笑)

関谷はやと

 
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