きっかけは、オーディオの故障（その２）　

From：関谷はやと

前回のメルマガでは、
車を買い替えるきっかけとして、
走行機能が故障するとか、
事故で車が傷んでしまい、
高額な修理費用となることで、
買い替えに至るといったケース以外に

カーオーディオの故障も、
そのきっかけになるというお話しでした。

特に、その車専用の形状に
デザインされたようなオーディオの場合は、
市場に出回っている数自体少ないので、

統一規格サイズのオーディオのように、
最新のものに付け替えることもできず、
ある程度の年数が経過した車なら、
『じゃあ思い切って車を買い替えようか・・』
となるケースがあります。

ところが、
ドイツの高級スポーツカーメーカー
『ポルシェ』の場合は、
そういった車に乗っているユーザーのために、

年数が経過した自社モデルの
オーディオ装着スペースに、

ナビゲーションや電話、
タッチスクリーンのほか、ＵＳＢ接続や
ブルートゥースといったネットワーク通信の
機能を備えたカーオーディオが、
ピッタリと収まるように設計された
オーディオの販売を始めていたんですよ。

このサービスは、
いま乗っているポルシェに、
最新機能を備えたカーディオに交換して
これからも乗り続けてもらうため、
というアイデアで始めたサービスだそうで、

一番古いモデルだと、
１９６０年代のポルシェにまで、
対応可能なんだそうです（驚）

これって最初にお話しした
カーオーディオの故障をきっかけに
新しい車に買い替えてもらう、
という考えとは正反対のやり方です。

でも、新車を販売する側にしてみれば、
せっかく買い替えのきっかけなのに、

なぜポルシェは、
そのきっかけを消すようなサービスを
わざわざ始めたんでしょうか？

その理由の一つが、
これまでに生産されたポルシェのうち、
なんと７０％以上が廃車にされることなく、
現在でもユーザーの元にあるという
『現存率』が、
きわめて高いことが挙げられます・・

つまりポルシェのユーザーって、
オーディオの故障を理由に、
車を手放したりしないんですね。

なので、古いモデル向けに、
最新のカーオーディオを提供した方が、
世界全体を占めるポルシェのシェアが
結果的に増え続けることになり、

ポルシェとしては、
こちらのビジネスモデルの方が
自社の方針に合ってるといえます。

まあ高級スポーツカーとして
人気が高いポルシェだからこそ・・
とも言えるんでしょうけど、

自動車ビジネスをやっている僕の
全く個人的な印象ですが、
何ともドイツ車らしいなあと思います。

これがもし日本車だったら、
さっきお話ししたように
『新車に買い替えましょう』
となるところですね。

また、これがアメリカ車だったら、
いま付いているカーオーディオはそのままで、
最新のものを『上乗せ』するでしょう・・

さらに、これがイタリア車だったら？
もちろん！
『故障なんて気にしない』でしょうね〜（笑）

関谷はやと

 
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