自動車メーカー同士の合併
From:関谷はやと
欧米の自動車業界では
昨年末から今年の年明けにかけて、
企業グループ同士のとても大きな
合併がありました。
それが、
フランスの自動車メーカーを中心にした
『プジョー・シトロエングループ』と
イタリア、アメリカと大西洋をまたいだ
『フィアット・クライスラーグループ』
の2つの企業グループです。
これら2つが合併して、
『ステランティス(ステラ=輝く星)』という
新たな統一ブランドが誕生することになり、
企業グループによる世界販売台数が、
1位のフォルクス・ワーゲングループ(ドイツ)
2位のトヨタ自動車グループ(日本)
3位のルノー・日産・三菱(フランス・日本)
に次いで4位となるそうです。
ちなみに、このニュース自体は、
何も電撃的に発表されたものじゃなく、
すでに2年近く前から公になっていたので、
そんなに驚く話じゃないんですけど・・
ただ、当初の予定通りとはいえ、
コロナウィルスの影響によって
世界的な経済の混乱や停滞が報道されている
この時期に合併を進めたとなると、
どうしても、
『どちらかの業績がパッとしなかったのか?』とか
『技術的な面で追いていけなくなったのか?』
などと余計な疑いを持たれてしまいますよね〜
たしかに、どんな会社にも
その手の要因は少なからずあるので、
それよりもっと前向きに今回の合併を
考えてみると、得られる最大のメリットは、
本来なら自社ブランドを浸透させるのに
時間と手間と費用がかかるはずの所を
短期間でやり遂げることが可能となり、
結果として両者ともが、
自社ブランドの車に乗ってくれるであろう
ユーザーを一気に増やすことができるんです。
まあ、そのために『電動化への対応』とか
クリアしなくちゃいけない課題はありますが、
これも合併によって、
お互いの得意分野を出し合うことで
解決できるかもしれません。
ところで、今後はこういった
大きな企業グループ同士の合併によって、
特に車の車台部分(シャーシ)は、
一気に共通化が進んでいくと思います。
今回の合併を例にすると、
フィアット(イタリア)とプジョー(フランス)とで、
ブランドや外観スタイル、生産国は違っても、
ボディーを取っ払ってみれば、
エンジンやモーター、
シャーシ(車台)や足回りといった、
パッと見で分からない部分は、
どのブランドも一緒のものを使っている・・
みたいな状態です。
すると、ブランドや車種ごとで
そろぞれ違った部品を揃えなくて済むので、
収益性も当然良くなってきます。
その反面、
ブランドや車種ごとに存在していた特徴が
減ってしまうことになるので、
今後はその特徴付けのための手腕が
今まで以上に必要となるでしょう。
関谷はやと
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