あまり表には出ない話題なんですけど・・
From:関谷はやと
自動車の修理やメンテナンスをやっている、
『整備工場』に対して新たな
『国の認証制度』がスタートしました。
いわゆる
『特定整備認証』と呼ばれているこの制度、
一体どんな制度なのかというと、
現在販売されている新車(乗用車)には、
ほぼ100%装着されるようになった、
『自動ブレーキ装置』のほか、
前車との車間距離を一定に保ってくれる装置、
車線変更を自動で行う装置が装着されたことで、
これらの安全装置や自動運転に関わる装置が、
正しく機能するかどうかの点検整備をするために、
国で定められた資格のもとで実施する制度です。
ちょっと堅苦しい表現になりますが、
国の制度に関する内容なので、
どうしてもこうなってしまいます・・
話を戻します。
実は先日、その資格を得るための
実技講習会に参加してきました。
そこで今回は、
この新しい認証制度によって、
実際、今あなたが乗っている車に
今後どんな関わりが出てくるのか?
についてお話ししたいと思います。
例えば、狭い道を走っていたとき、
ハンドル操作を誤って車のフロントバンパーを
ブロック塀か何かに擦ってしまった・・
そんな時、
運よくキズが浅かった場合は、
バンパーを取り外して、キズの部分を埋める
樹脂製の『パテ』という材料を使って補修し、
あとは塗装をし直して、
元通りにバンパーを組み付ければ、
それで修理完了となります。
でもバンパーが割れてしまったり、
補修できないくらいの大きなキズの場合、
大抵のバンパーって樹脂製なので、
鉄板のように裏側からハンマーで叩いて直す・・
みたいな作業ができないので、
残念ながら新しいバンパーと
交換するしか方法がありません・・
ただ、それでも、
今までなら補修するか交換するか、
どちらかの作業工程を経るだけで
何の問題も無かったんですよね。
ところが、
さっきお話ししたような
安全装置が付いている車の場合は、
車種にもよりますが、
前方の対象物を検知するためのセンサーが、
フロントバンパーの内側に装着されていれば、
もし、その付近に傷がついてしまった場合、
補修のためにパテなどで傷を埋めてしまうと、
そのパテの厚みによって、
わずかですが、バンパー本体の厚みが変わり、
そのせいでセンサーが誤認識してしまう
恐れがあるんですね〜
もしもの時の安全装置なので、
その場合は、もったいない気はしますが、、
バンパーを交換するしかありません・・
さらに、そういった車は
新しいバンパーに交換したあとに必ず、
自動車メーカーが定めた手順通りに
センサー類の点検や調整をするように
決められているんです。
そして当然ながら、
この作業には一定の資格を持つことが必要で、
誰がやってもいいという訳じゃありません。
あまり表には出ない話題ですが・・
安全で安心できるクルマ社会実現のため、
僕たちメカニックも、
こうした地道な取り組みを重ねているんですよ。
関谷はやと
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