ベンチャーって前向きな先行リスクだと。
From:関谷はやと
三栄自動車の事務所にて。
このところのニュースで、
ヨーロッパの自動車メーカーによる、
『脱エンジン化』で、
あらためて注目されているのが、
アメリカの電気自動車(EV)ベンチャー企業、
『テスラモーターズ』です。(以下テスラ)
前にこのメルマガでも話しましたが、
2016年に発表された量産モデル、
『テスラ モデル3』が話題を呼び、
納車は2年先にも関わらず、
予約注文があっという間に
20万台、30万台となり、
最近だと、
すでに40万台以上の予約を抱えているそうです。
ちなみに、
テスラが予定している『モデル3』の、
年間生産台数は、フル生産で50万台・・
ということは、テスラにとって、
ほぼ1年分の生産台数が、
すでに予約で埋まっていることになります。
ただ、僕が実際に、
自動車メーカーで車を造っていた経験から言うと、
いくら周到に準備したとしても、
造り始めで、いきなりフル生産なんてできませんから、
しかもそれが、
全く新しいモデルの車となると、
せいぜい数万台がいいとこじゃないかと思っています。
ところで、
テスラのホームページを見てみると、
この『モデル3』の価格は、
日本円で350万円から買えるそうですが、
ただ、そのための『予約金』として、
15万円〜を先に支払う必要があります。
まあ、ここまで強気に出られるのも、
『話題作り』が巧妙な、
アメリカ流のビジネスが成功したから他なりません。
僕がテスラのホームページを見てて、
興味を引かれたのは、まさにこの部分です。
テスラファンを招待した
『モデル3』発表会当時の様子が、
20数分もの動画で紹介されていました。
創業者の『イーロン・マスク』氏による、
テスラの歴史から『モデル3』の、
開発・発売に至るストーリーの紹介があって、
観ているとワクワクした気分になって、
『あなたモデル3に乗ってみませんか?』
という掛け声に、
思わず手を挙げてしまいそうになりました(笑)
また、この発表会の前には、
様々なメディアを使って、
事前に十分な『チラ見せ』をやっておいて、
予約受付けと同時に、
一気に予約が入るように、
仕掛けられているのが分かります。
この方法が広く用いられるようになったのは、
アップルの『iphone』からでしょうね・・
また、日本のゲームメーカーも、
同様の方法で売っています。
このやり方で前例のない量産EVを
40万台以上売るんですから、
車業界でうまく取り入れたのは、
間違いなくテスラでしょうね〜
さて、日本にも2輪4輪ともに、
『EVベンチャー』と呼ばれている企業が、
何社かありますが、
そのほとんどが、
既存の技術と比べてウチのは・・とか、
小さな変化にこだわってるだけで、
本当の意味での『ベンチャー』
つまり、
世の人々が待ち望んでいることを、
斬新なアイデアで実現させるための、
図太さがないような気がします。
もうそろそろ、
既存の自動車メーカーの
隙間を埋めるような商品で勝負するんじゃなく、
例えば、もう今の時代なら、
最短距離を最も安全に移動するための、
『タイヤのない自動車』を本気で作るとか、
一見バカげているようなことにでも、
真剣に取り組むベンチャーが、
日本に1社でもあればなあ・・と思います。
世界に目を向ければ、
そういったことに、
ファンになってくれるような人々が
たくさん待っているはずですから・・
もちろん僕も大歓迎です!
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関谷はやと
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