呉越同舟 

From:関谷はやと

三栄自動車の事務所にて。

つい先日の報道です。

日本を、、というより、

世界を代表するともいえるオートバイメーカー、

『ホンダ』と『ヤマハ』が、
排気量50ccのスクーターで、
業務提携することを発表しました。

業務提携の内容は、

ひとつの工場で、
ホンダ、ヤマハ両方のスクーターを造るそうです。

さらに、その目的は、

より効率的に大量生産をすることで、

いわゆる、
新興国と呼ばれる地域でも、

価格競争力を持って対抗できるようにする、

ということです・・

これの意味するところは、

日本製のオートバイ=良いけど高価、

そりゃあそうだよ、日本製だもの・・

といった認識なんて、

もはや通用する時代じゃない、ということでしょうね・・

今回の業務提携のように、

元々は、ライバル企業だった者同士が、

共通の目的を持ったことで、
相互に協力し合うようになることを、

中国の故事になぞらえて、

『呉越同舟』と表現されます。

たしかに、、

両社とも日本の企業ですし、

おまけに発祥も静岡県同士ということで、、

提携するにも、
『ご近所さん』といった感覚で、

それほど抵抗はなかったと思います。

おそらく広い世界から見ても、

日本の中で何かやってるなあ・・

みたいな感じなんでしょうね。

また『呉越同舟』によって、

ホンダ、ヤマハそれぞれに関わっている、
納入業者さんたちにも影響が及びます。

たしかに、、

納入価格に対する要求は、
今よりもっと厳しくなるかも知れません・・

しかし、
質の高い製品をより安く作る方法、

を持っている納入業者さんであれば、

今までより確実に受注量が増えるはずです。

そのような見込みが持てる企業にとっては、

ホンダ、ヤマハの『呉越同舟』って、

とても『ありがたい』ことだと思います・・

僕たちのように、

日本国内だけで、
オートバイを見ている者としては、

ホンダ、ヤマハという、
それぞれの持ち味が薄れてしまいそうで、

ちょっと複雑な気持ちになりますが、

ホンダもヤマハも、

『世界の市場』を見据えようとすれば、
そんな悠長なことも言ってられないんでしょうね。

ただ、これで完全に、

ホンダ、ヤマハは日本の企業だけど、

市場として捉えているのは、

『日本じゃなく世界』

ということになりました・・

でもこうなると、

先ほどの納入業者さんにとっては、

世界中の納入業者との競争になります。

しかし!

ここで認められれば、

ホンダ、ヤマハ以外の、
世界中の自動車メーカーから、

注目されるチャンスが広がります。

世界市場を見据えた『呉越同舟』は、

日本企業の作る『製品』だけじゃなく、

日本の『ものづくりの方法』そのものを、

世界中に認めさせるための挑戦にもなっているんです。

関谷はやと

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