秋のたより
From:関谷はやと
三栄自動車の事務所にて。
先日、兵庫県にある同業者の友人から、
『20世紀梨』が届きました。
毎日暑い暑いと言っているうちに、
季節は秋へと移っていたんですね・・
僕が住んでいる松山市では、
この20世紀梨が出回り始めると、
人々の気持ちも『秋祭り』モードに入ります。
『花みこし』と呼ばれる、
金細工で装飾されたお神輿で、
その年の農産物の収穫に感謝するお祭りです。
こういった、
『農業とお祭り』を関連付けた風習って、
中国では、中節祭、
アメリカでは、ハロウィンや感謝祭、
また、あまり知られていませんが、
アラビア語圏では、牧畜にちなんだ
『犠牲祭』など、、
世界中のあちこちで、
いろんな名前で催されています。
話が逸れてしまいましたが、
僕が好きな20世紀梨、
子供時代から、
このちょっと変わったネーミングで、
とても不思議な果物のような気がしていました。
ところで、
梨にまつわる色んな物語の中で、
思い出深いのが、
僕が小学生の頃、
国語の教科書だったかに載っていた、
『むねつまりなし(胸詰まり梨)』の物語です。
詳細は忘れましたが、、
病弱で入院中の母親を見舞う、
男の子二人兄弟という設定です。
家の庭に梨の木があって、
そのうち1本の梨から獲れる実が、
水気がなく飲み込むときに、
タイトルのように『胸が詰まる』ので、
子供たちは『むねつまりなし』と呼んでいる、
というくだりです・・
兄弟は、
その『むねつまりなし』を、
母親へのお見舞いの品として持って行くんですが、、
残念ながら、口にしてくれません・・
最後は、
兄弟が『むねつまりなし』を食べながら、
梨の実のせいで胸が詰まるのか、、
母親の病状を案じるあまり、胸が詰まるのか・・
分からないけど、
言いようのない切なさで涙が流れてくる・・
という物語でした。
家族のやさしい気持ちと、
病気という現実の残酷さを『梨』を通じて、
うまく対比させた見事なストーリーです。
このメルマガを読んでくれている人の中にも、
憶えている人がいるかも知れませんね・・
普段は、先生の言うことも聞かず、
勉強をサボりまくっていた僕ですが、
さすがの僕も、この時の授業は、
物語から情景を思い浮かべていましたよ。
ただ、当時の僕は、
周りの子供たちと同じ、
お腹を空かせた小学生です・・
この感動的なストーリーも分かりますが、
それよりも僕の頭の中は、
『食欲』を優先してしまいます。
20世紀梨につづく、
この不思議な『むねつまりなし』が気になって、
ずっと心に引っかかっていました。
さすがに良いストーリーですね・・
梨を食べなくても、
僕の胸を詰まらせるんですから・・(笑)
それから十数年して、、
独り暮らしをしていた頃、
この『むねつまりなし』のことは、
すっかり忘れていましたが、、
買い物で立ち寄ったスーパーで、
あるものを見た時、
この物語を鮮明に思い出したんです・・
もうお分かりですよね、
『洋梨』の実を手にしたときの、、
その形と硬さが、
『むねつまりなし』そのものだったんですね。
僕はそれまで、
生の洋梨なんて関心も持ってなくて、
その時たまたま手にしただけだったんです。
そのくらい一途に、20世紀梨だったんです。
で、
スーパーの店員さんに、
『洋梨』の食べ方を聞いてみたところ、、
硬いままでは食べられないので、
表面が柔らかくなるくらい、
常温で熟成させてから、
冷蔵庫などで冷やして食べて下さい、
そう教わりました。
たぶん『むねつまりなし』の正体は、
『洋梨』だったんでしょうね・・
ということは、、
物語に登場するあの兄弟も!!
僕と同じ、
『お腹を空かせた小学生』だったんですね・・
この食いしん坊めっ!!(笑)
そりゃあ、熟す前の洋梨を食べたら、
誰だって胸が詰まりますよね・・
感動的なストーリーに水を差すようですが、
もしかして物語中の母親は、
洋梨が熟していなかったんで、
食べなかっただけなのかも・・
先日届いた20世紀梨を眺めながら、、
僕自身、
「いろんなことが分かる大人になったなあ・・」
と、しみじみ感じました。
関谷はやと
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